春に救われる #30分でnote
今、仕事が閑散期なで、定時退社、有休消化中のホワイトな状況なのに、あまり元気がない。
ふいに「私なんか」といじけた気持ちが出たり引っ込んだりしている。
仕事帰りに大型ショッピングモールに買い物に出かけた。
ぶらぶらと冬物の洋服のセールを眺めてみるが、食指が伸びない。切れかけていたアイブロウペンシルとベージュのアイシャドウを買う。洗剤やティッシュペーパーを買うのと大差のない作業。
夕飯の食材を買いに食品売り場に向かった。
春が、いた。
その食品売り場はもう春だった。
食品売り場入り口の花屋には春の花が並んでいた。並んでいたのは桃の花。小さな小さなピンク色の花が、霞のように茶色い枝の周りを取り囲むその食品売り場の入り口の花屋で、目を奪われた。。
赤、ピンク、黄色。目の覚めるような原色で、その場を明るく染めているチューリップ。
それから、ラナンキュラス、大輪のバラ、シクラメン、名も知らない枝もの。
食品売り場では、春の野菜がいた。
ふきのとう、タラの芽、さやえんどう。
春はそこにいるんだな。
そう思ったら、急に視界がぱっと明るく開けた気がした。
「冬期うつ」という言葉があるらしい。冬の日照不足や寒さから、心に元気がなくなる状態だそうだ。
私の場合は、冬季うつとまではいかないけれど、やっぱりちょっと冬の寒さや日の短さにうんざりしていたのかもしれない。
くさくさしていたのは、冬に飽きていたのか。
待っていれば季節は必ず巡ってくると、頭ではわかっているけれど、どうも気持ちが焦っていたようだ。
真っ赤なチューリップの束を1束手に取った。
しばし考えて、もう1束。それからかすみ草も1束。
家の玄関に飾った。我が家にも春のおすそわけ。
そして、春の野菜も買った。
山菜や野草の料理の経験はゼロ。とりあえず天ぷらにしてみた。
噛むと、ピリリとほろ苦さが口の中を刺激する。
冬眠から覚めろと、春が語りかける。
明日から2月、立春はもうすぐ。
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