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心にばんそうこうを貼る

悪意を吐き出すたびに、自分が嫌いになった。

最近、どうもイライラ、もやもやして、止まらない。
それが辛くて、誰かに話せばすっきりするかと思ったが、話せば話すほど、悪意がどんどん凝縮されて、昨日まで気にならなかったことが、今日はとんでもなく気に障るようになった。あの人の「ちょっと嫌い」なところがが「大嫌い」になった。

そんな心の狭い自分がみじめで、かっこ悪くて、ダサくて、どんどん自分が嫌いになった。
自分で自分を傷つけて、心の傷はどんどん深くなって、傷口から血がにじんで痛かった。

ため息交じりで帰宅して、何気なくテレビをつけた。

数年前、大好きだったドラマの総集編をやっていた。
懐かしくて、見入ってしまった。

「ふふ」
画面の中の、健気に恋するキャラクターの姿に思わず声が出ていた。
顔が勝手ににやけて、微笑んでいた。

自分の全身を覆っていた黒い感情が一瞬消えた。

なんだ、そうか。

自分の中の黒い感情が傷つけた心は、自分で手当てするしかない。
大好きなもの、わくわくするもので自分を癒せばよかったんだ。
ばんそうこうのように心の傷口に貼るのだ。

どうせなら、ばんそうこうを体中に貼って、好きで埋め尽くそう。
映画、ドラマ、小説、漫画、note、Twitter、楽しいおしゃべり、おいしい料理とお酒、キレイな洋服、大好きな人。それは、私を守る鎧。
もう誰も傷つけない。自分もあの人も。

一度ひどく化膿させてしまった傷が治るのには、もう少し時間と手当てが必要だ。帰ってくれば、いやスマホがあれば、「好き」のばんそうこうはいつでも取り出せる。いっぱい貼って、よしよしとなでてやろう。

明日から、また自分を好きになるために。


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RUMI
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