人生のチャンスはどこから? #聞いてよ!20歳

今の20歳は、どんなことをしているんでしょう。
大学生? 専門学校生? それとももう社会人? 
そうか、大人の私たちは「社会人」という立場にいる人が大半だけれど、20歳のみなさんには、いろんな世界があるんですね。
まさに人生のターニングポイント。

私は、現在45歳。20歳の人たちには「もう人生終わった人」に見えているかもしれないな。

さて、時間を私が20歳のころに戻します。
1995年、アムラーと呼ばれる歌手の安室奈美恵を信奉する若者が渋谷を席巻し、携帯もスマホもない時代です。
そして、阪神淡路大震災が起きた年でもありました。

私には高校3年からつきあっていた人がいました。受験生なのに、受験勉強そっちのけ、大学に入っても勉強そっちのけで、恋に没頭していました。彼は人生で初めてお付き合いした人でした。大好きでした。
でも、私たちはちっともうまくいってなかった。
私は、自分に全く自信がなくて、彼の私への気持ちを試すようなことをいっぱいしました。理想の彼氏像を押し付けようとしたり、会うたび喧嘩になって、嫉妬で気が狂いそうになって、もう、さんざんな日々でした。
そしてついに、20歳になった年の1月、成人式の振袖を脱いだ数日後に、あっさりふられました。「ほかに好きな子ができた」と言って。

まあ、そうだよね。自分を束縛しまくって、自分の理想を押し付けて、ちっとも本当の自分を認めてくれない恋人なんて、一緒にいる意味なんてないですもん。彼が正しい。

私の言動に反省しました。後悔もいっぱいしました。
自分の幼稚さと、アホさと、自己中さと、あまりに空っぽなところに気が付いて絶望しました。今まで、何を考えて生きてきたんだろう。
ますます、自分に自信がなくなりました。
男性だけじゃない、人とつきあうことが怖くなりました。自分の言動が、誰かを苦しめたり、傷つけたり、嫌われたりすることがあるんだって知ってしまったから。

これから先、こんな自分と付き合って、結婚までしてくれる人が現れるはずがない。
だから、一人でも生きていこうと誓いました。

でも、人生なにが起きるかわからないのです。

しばらくして、高校時代の友人に大学の庭でばったり会いました。同じ大学に進学したことは知っていました。でも、学部が違うので、まったく接点がありませんでした。あの日会ったのが高校を卒業して以来だったかもしれません。
その彼が、今の夫です。
知り合って30年近くなります。付き合って25年、結婚して20年。
あの日偶然再会した彼と、一緒に暮らしているということ、一緒に家族でいることが、不思議だなあと思うことがあります。
「私、どうしてこの人とこういうことになっているだろう」と。

だけど、私の中身はちっとも変わらない。
それでも、夫はどこに目を付けているのかわかりませんが、私のことを「かわいい」と言うし、「離婚したくない」と言うし、「仕事が嫌ならやめればいい」と言います。やりたいことは黙ってやらせてくれるし、家事や育児も当たり前にこなしてくれます。
もちろん喧嘩もしますし、お互いイライラすることもあります。
会話が噛み合わないこともしょっちゅう。
それでも彼は、学生時代から今日まで、ずっと私の人生に伴走してくれています。 いい人見つけたなと思います。

あの時、「私は一人で生きるんだ!」なんて自己完結して、彼(夫)からのアプローチを断っていたら、こんな生活は送れてなかっただろうなと思います。

何が言いたいかって?
「人生、何が起こるかわからない」ということです。
「そんなことあんのー?!」って思うことばかりだなと思う、今日この頃です。だから、若いみなさんには、人生の選択肢を自分で決めつけないで、狭めないでと言いたい。
例えば、結婚や子育て。
「子供みたいな自分が、子育てをしちゃいけないと思うんで」とか「自分さえ愛せないのに、結婚なんて」と言う若い人に出会うことがあります。
「彼が遠くに住んでいるし、私もここでやりたいことがあるから、結婚できません」とか「ほかにもっといい人がいるかもしれないので」と言う人もいます。

でも、自分の未熟さとか自分が嫌いとか、遠距離とか、もっといい人とか考えすぎないで、自分の中で勝手な答えにたどり着かないで、目の前の人に飛び込んでみたらいいんじゃないかと思うのです。

私はこうして文章を書いているのも、自分に向いていない仕事をやめて、逃げ出すためのセーフティネットから始まりました。
でも今じゃ、向いてない仕事から解放され、残ったのは文章書く楽しみと、noteを通じて知り合った友人たちとの温かい交流です。
まさか、40歳をすぎて、住んでいる土地も暮らしている時間帯も違う人と、文章を通じて心をかわすことになろうとは、20歳のあの時、考えすらしていませんでした。

チャンスはどこからやってくるかわからないのです。
全然タイプじゃない人が、ただの友達だった人が、あなたの最高の伴侶になるかもしれません。
思わぬところに、成功のチャンスが隠れているかもしれません。
だから、人生を諦めないでください。つねに獲物を狙う虎のように周りに目を光らせて、チャンスを掴むしたたかさを持ってください。

人生って不思議だなあとつくづく思います。
あの時、一人で生きていこうなんて誓いをあっさりと破って、本当によかったと心から思っているし、アラフィフになってもまだ、人生のチャンスを虎視眈眈と狙っています。負けないわよ!



このnoteは、きゆかさんの「聞いてよ20歳!コンテスト」に参加しています。


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