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卒業、おめでとう #ハッピーになるかもしれない朝エッセイ

息子が高校を卒業した。
卒業式に出席した。

コロナ禍の卒業式。
出かける前の検温、マスク必須、入り口で手指消毒。
3密を避けるため、出席者が限定された。
卒業生と、在校生は各クラスから1人か2人、卒業生の保護者も各家庭から1人。
3年前の入学式のときと比べると、人がぐんと少ない。体育館が広く感じた。

出席者を限定すると、大体、お母さんが来るらしい(我が家もしかり)

国歌斉唱と校歌斉唱は、歌わずに吹奏楽部の演奏に。
来賓の祝辞は、書面で配布された。
卒業生の点呼の際は、名前を呼ばれても「はい」という返事はなく、すっと立ち上がる。
1時間弱の時短で、なんとも静かな卒業式だった。

「卒業生が退場します。拍手で送ってください」
アナウンスと同時に、卒業生が立ち上がる。

今年の高校3年生は本当に大変だった。
大学入試制度が変わる1年目。大学入試センター試験から大学入学共通テストに。1年生のころから、いろんな改革案が出ては、大人の事情で二転三転して、消えた。何をどう勉強していいのか、さんざん惑わされた。
そして、このコロナ禍。
1年前の高校3年の春。
勉強にエンジンをかけ始めた途端、学校が休校になり、授業はストップ、自宅学習に。
オンラインで担任の先生とコミュニケーションは取っていたようだけれど、先生と膝を突き合わせて進路の相談もできず、一人黙々と課題をやる日々。
インターハイや練習試合もないまま、部活も終了した。
学校が再開すれば、夏休み返上で怒涛のように授業をこなし、休日は模擬試験。息子が休んでいる日を見たことがなかった(よく疲れて昼寝していたけど)
感染しないように気を遣いながら、受験に臨んで、先月やっと受験を終えた。
そして、この時短の卒業式。

何もかもが異例で、前例のない道を進んだ彼らは、本当に偉いと思う。(先生も本当に大変だっただろうとお察しします)
おかげさまで、息子たちの通う高校では、感染者はいないらしい。

息子のクラスは、一番最後に退場した。
入学したときより背が伸びて、受験勉強の間に少しぽっちゃりした息子を見送る。

パチパチパチ。

固いパイプ椅子に座って、じっと卒業生を見つめながら手を叩いた。
でも、心の中では、スタンディングオベーション。

世の中の全ての高校3年生に。

卒業、おめでとう。

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RUMI
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