玄関タイルとの闘いが終結した日 #ハッピーになれるかもしれない朝エッセイ
「安全な家がいい」
自宅を新築する際、心配性の夫に家についての希望を尋ねたら、こんな返事が返ってきた。
家族が怪我をしたり病気になったりする心配がない、安全・安心な家がいいという。
「それ以外は、ルミさんの好きにしたらいい」
などと殊勝なことを言うので、夫の唯一の希望は最大限叶えることにした。
階段は、段を１段増やして傾斜が緩くなっていて、踊り場が設けられている。オール電化住宅でガスは使わない。高いところに棚はないし、庭のフェンスにもとがったところはない。ブロック塀もわりと低め。
それから、玄関タイル。靴底が滑らないように凸凹に加工されたタイルが使われている。
家を建ててから気づいた。
当たり前だけれど、家には掃除が必要だということを。
そして、この凸凹タイルが、思った以上に厄介だったということを。
玄関タイルには、靴の裏の泥やほこりが付く。
凸凹タイルの凹部分に、びっしりと溜まるのだ。北向きの玄関なので、できるだけ明るくしようと、タイルをクリーム色にしたものだから、泥やほこりがよく目立つ。雨の日は最悪だ。子供たちの濡れた靴に付いた泥汚れが床にしみこんで、タイルが真っ黒になる。
タイルは引っ越してきてすぐ、クリーム色からネズミ色になった。
「毎朝、玄関の床を水拭きしましょう」
家相を占う本をパラパラと眺めていると、こんな言葉が載っていた。玄関の床を綺麗にすると、玄関からいい気が流れてきて運気が上がるらしい。
ほほう。さっそく、玄関をぞうきんで拭いてみた。
新品のぞうきんが、ものの数秒でボロぞうきんになった。
我が家のタイルの凸凹は、華道の剣山のような小さなトゲのようなもの。一瞬で、ぞうきんをボロボロにしてしまう。
ならばと、メラミンスポンジでこすってみた。
おお、どんどん白くなる。
けれど、メラミンスポンジは見る見る小さくなって、あっという間にすり減っていく。玄関タイル全部掃除しようとすると、数センチ角のメラミンスポンジが何十個も必要だった。これはあまりに不経済。
それに、手を高速ワイパーのように振りながら床をこすっていると、スポンジがなくなりそうになっているのに気づかなくて、思わず爪を床にこすりつけてしまって、爪が欠けるという惨事になったことも、１度や２度ではない。
これでは、夫の願う「安全な家」ではないし、家の運気も上がらない。
玄関タイルと格闘し続けて十数年。
ついに救世主が現れた。
それがこれ。
アズマ ブラシ TKブラッシングスポンジ玄関タイル用
どこかのニュースサイトのコラムで紹介されていたこのスポンジ。
水で濡らしたスポンジでこするだけで、タイルの汚れが取れるそうだ。
その上、メラミンスポンジと違って、すり減らないという。
Amazonのレビューで絶賛されている。
半信半疑だったものの、８００近いレビューで★４つに願いを託し、購入ボタンを押した。
結果は、こちら。
上段の真ん中が、このスポンジでこすった玄関タイル。
左右のタイルと比べても、明らかに落ちている。本当に水だけで落ちた。スポンジはすり減らなかった。
よく見ると、表面に小さな突起があって、これが汚れを掻き出しているみたい。
下半分が、こすった後のスポンジ。真っ黒になって、しっかり泥汚れを吸い取っているのが分かる。
そして、上半分は、水をかけて汚れを落としたところ。
本当に洗うだけで、スポンジの汚れが落ちている。
嬉しくなって、あちこちゴシゴシしていたら、ちょっと端っこがほつれちゃった。力を入れすぎたみたい。
床にはいつくばって爪に気を使いながら、メラミンスポンジでこすりまくっていた今までの苦労はなんだったのだろう。
スポンジは洗って乾かすと何度でも使えるし、乾きも早くていい。
替えのスポンジを買うこともできる。
おかげで玄関タイルは、もとのクリーム色を取り戻し、私の体の安全も保たれ、タイルとの闘いは終結した。
実は、我が家のお風呂タイルも凸凹があるんだけど、それには、こちら。
アズマ バススポンジ お風呂床用ブラシ
これも、水だけで、床のぬるぬるの汚れが落ちた。
乾きも早いので、洗面所の洗剤置き場にしまえるから、とても衛生的。
それにしても、日本のメーカーは優秀だな。
痒い所に手が届くとはこういうこと。日夜、主婦（夫）のニーズに応えようと頑張ってくれている。ありがとう、アズマ工業さん。
お掃除用品専門の会社だそうです。
※この朝エッセイは、不定期更新です。
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