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諦めると受け入れる #30分でnote
どうも体がすっきりしない。
特に肩と首。気がつくと、肩がすくんでいる。腕を振るとガリガリとおかしな音がする。
首はうまく回らない。原因は住宅ローンだけではないと思う。
近所の鍼灸マッサージ院に駆け込んだ。
先生が触れるところ、どこもかしこも、痛いの、なんの。
「張ってますねえ」
首の真ん中の側面が特に痛い。先生がマッサージすると、肩全体の神経に軽い痛みが広がる。
「ここ(首)が原因と思われるでしょうが、そうじゃないんですよ。原因は肩甲骨です」
原因は首じゃなかった。肩甲骨。
寒さや運動不足、自律神経の乱れで、肩甲骨の血流が悪くなって固くなっているらしい。そのせいで、肩甲骨周りの筋肉もどんどん固くなって、ついには首まで痛くなるのだそう。
確かに、最近、寒さで運動もサボりがちだし、仕事も落ち着いているので、デスクに座ってじっとしている時間が長いかも。
「寝ているときも、気をつけないといけないんですよ」
と先生が言う。
「寒い部屋で寝ていると、首や肩を寒さから守ろうと、血管が縮まりますから、筋肉が固くなっちゃうんです」
確かに、朝方寒さで目が覚めると、肩をすくめていることが多い。気を付けないと。
先生が、丁寧に時間をかけて、肩と首をマッサージでほぐし、鍼を打ってくれた。
全て終わって、起き上がる。
まず、気づいたのは、呼吸のしやすさ。
深呼吸をすると、おなかの奥まで息が入ってくる。
肩と首のこりのせいで、息までしづらくなっていたらしい。体中が酸素不足。おそろしや。そりゃ、頭も回らないし、リラックスなんてできないわ。
マッサージ院を出たら、途端にものすごい睡魔に襲われた。
体が固まって十分に眠れなかったツケが、一気にきたのかもしれない。だるさと眠気を我慢して帰宅。
急いで夕食を作って食べ、風呂に入って、床についた。
布団に入って、目をつぶって数秒で眠りに落ちた。ぐっすり眠った。
頭の中まで。ほぐされた。
つい数年前までは、自己流ストレッチやマッサージで十分、自分の体をほぐすことができていたけど、最近、それができなくなっていると痛感する。
老眼もしかり。老眼鏡がなくてはもう何も見えない。ちょっと前なら目を細めたり、物を遠ざけたりしたら見えていたのに、今じゃ、遠ざけようが細めようが何をしたって、焦点がぼやけたまんま、びくともしない。
若いときは、肩の痛みも、目のかすみも一過性のものだった。
今の痛みや見えないことは、不可逆。悪くなることはあっても今より良くなることはあり得ない。それが老化。老衰に向かってまっしぐら。
ああ、なんてつらい。悔しくて、悲しくて、叫びたくなる。
でも、切って捨てるわけにもいかないので、人の手を借り、物に助けられながら、自分管理して、痛みや不便と折り合いをつけ、付き合っていくしかない。
ああ、仕方ない。「諦める」とは「受け入れる」ということかもしれない。
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