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家が一番好きな理由(noteの片隅で愛を叫ぶ)

空気のような存在

配偶者やパートナーの存在をこう表現するとき、だいたい、いい意味ではない。
ときめきが薄れたとか、魅力がなくなったとかいうニュアンスが含まれがち。

話はそれるが、旅行がちょっと苦手だ。
修学旅行も家族旅行も気の合う友達との旅行も、行けば楽しい。けど、心のどこかで、「早く家に帰りたい」と思っている。
知らないことを知ることは好きだ。
誰かの紀行文を読むのも、ガイドブックや旅行雑誌を眺めるのも好き。
それなのに、いざ自分が行くとなると、帰りたくなるのはなぜだろう。

2年ほど前、その理由が分かった。

誰かと一緒にいても、一人になる時間が欲しいのだ。一人旅がいいのはそのせいだ。
それは、ホテルの部屋でいい。シングルルームで一人になりたい。
寝るときまで、誰かと一緒にいるのが嫌だったんだ。
好きな時間に寝たり起きたりしたかったんだ。

旅行が苦手なのは、四六時中、誰かとずっと一緒にいると疲れるからだった。
どこかで必ず意見の相違がある。
自分のやりたいことが、やりたいようにできないこともある。
自分が疲れていても、話さなきゃいけないこともある。
自分のエゴばかりを押し通すことはできないし、相手の希望ばかり聞いていては、自分が楽しめなくなる。
そういう他人と折り合いをつけるのにとても疲れる。
私の寛容さが足りない。

それに気づいて以来、誰かと旅行に行っても、部屋は必ずシングルで、時にはホテルも別で、自由行動の時間を作らせてもらっている。
ありがたいことに、みんなそれでいいと言ってくれる。

でも、やっぱり家が好きだ。
心も体も自由に過ごせるのは、やっぱり家だから。

たまに同じ空気を吸うのも嫌だというご夫婦の話を聞くことがあるけど、おかげさまで、我が家は(少なくとも私は)夫と同じ空気を吸うのがイヤと思ったことはない。むしろ、同じ空気を吸っていたいとさえ思う。
夫といるときだけ、自由だなと思う。
どんなことでも、たいてい「いいよ」と言ってやらせてくれる。
お願いごとは、ぶつぶつ言いながらもやってくれるし、家事や子供の世話も私以上によくやってくれる。昨日も、娘の世界史の試験勉強に延々とつきあっていた(その間に、私は日課のウォーキングをこなし、Twitterでおしゃべりして、お風呂に入って、先に寝た)
もちろん、めんどくさいこともある。
割とはっきりと、私に苦情を申し立ててくるし、愚痴も多い。
でも、他人とずっといるのが苦手な私が、夫といるのは疲れない。夫はちょうどいい距離感で接してくれる稀有な人だ。それは、結婚生活が長いからではなく、知り合ったときから。

「僕と結婚してくれるよね?」
付き合っていたときに何度も聞かれた。
その度なんて返事していたのか忘れたけど、私の性格から考えても「ええ! もちろんよ!」なんて、乙女チックな返事をしたはずはないだろう。
せいぜい、「まあ、いいよ」くらいだったと思う。
そんなかわいげのない返事でも、夫が諦めずに何度も「結婚して」と言い続けてくれて、本当に結婚してくれてよかった。
こんなに一緒にいて楽な人は、ほかにいない。

「一緒にいると楽だったんだよ」
私と付き合うと決めた理由を夫はこう説明する。
それは、私も同じだ。

空気のような存在

私たち夫婦にとって、それはネガティブな言葉じゃなくて、すごくいい意味。
空気のように知らない間にそばにいて、なくては生きていけない人。

旅行に行くと帰りたくなるのは、家が好きというより、夫がいる家が好きだから。
一緒に週末にお酒を飲んで、たまに美味しいご飯を食べに行って、買い物にいって、夫の食べたいものを作る。何気ないこの生活が好きだ。

今月で結婚20年を迎える。18歳で知り合ってから、もう30年弱。
飽きるどころか、ますます夫と暮らす生活が楽しい。
本音をいえば、早く子供が巣立っていって、二人だけの生活になればいいと思っている。これは子供には内緒だ。

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塩梅かもめさんの、短期集中企画に乗りました。

かもめさんの街の愛の叫び方が素敵。









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RUMI
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