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日曜日記特別編(2023.7.15) #okatteスパイス✖️noteユーザーin岡山

思ったより狭かった。
会場はマンションのワンルームにキッチンとトイレ、それだけの空間だった。
部屋の中央に置かれた、テーブル兼作業台の上には、色とりどりの食材が山のように置かれている。地元岡山で採れた野菜。ピーマンもオクラも通常の倍くらい大きくて、つやつやしていた。作業台の真ん中には箱に詰められた岡山の桃がどんと鎮座していた。

岡山の桃


窓ぎわのコンロでますみさんとミユキさんが忙しく作業していた。

「暑いねー。おつかれさまー」
なんて、いつも会っている友達みたいに声をかけるが、よく考えたら、ミユキさんに会うのは1年ぶりでまだ4回目、ますみさんに会うのは今日が初めてだった。

不思議なつながりだ。
直に会ったこともないのに、文章の中から彼らの暮らしの心のあれこれを知っている。文章には書いた人の人となりがにじみ出るのだと何かで読んだけどほんとそう。
だから、初対面なのに、
「何か手伝おうか?」
なんて、気軽に話せてしまう。

「じゃあ、ここのオクラ、全部切っちゃって」
ますみさんが指示をくれる。
二人とも目の前の鍋に真剣だ。私も淡々とオクラを切る。

一人、また一人と、参加者の方が集まってきた。
狭い部屋のあちこちで、「久しぶり!」「はじめまして!」と歓声や笑い声が小さな花火のように打ち上がる。
参加者のほぼ全員が揃うころには、中央の作業台から食材は消え、代わりに色とりどりのスパイスごはんが並んだ。

手前味噌ながら、私から徳島のすだちを提供させていただいた。そしたら、ますみさんが、すばらしくおいしいおつまみに変身させてくださった。

言葉を失うくらいおいしいスパイス唐揚げとフライドポテト
スパイスポテトサラダ
ミユキさんのスパイスナッツ。手と口とワインが止まらない。
きゅうりのスパイス浅漬け的なもの(名前何でしたっけ・・・・・・

どんな料理にも合う、どんな風にも変化できるスパイス。ほんとうにすごい。魔法の粉だ。この2年ほど、毎月ますみさんたちとスパイスカレーを作ってきて、スパイスのすごさを知ったつもりになっていましたが、今回、スパイスの奥深さを改めて体験して、ほんと、もう、スパイスは神! って叫びたい。
目と鼻と舌と心と、あらゆる感覚に訴えかけて、私を目覚めさせてくれた気がします。

あと、私ごとですが、あることがきっかけでパクチーが苦手だったんだけど、気づいたら食べてた・・・・・・
写真家に乗せられて知らん間に脱いじゃったみたいな感覚。
もうこれからはバンバン脱ぐ・・・・・・ではなく、食べられる気がする。

歓談している間に、ついに16人全員、誰一人欠けることなく勢揃い。狭い部屋の壁沿いにぐるりと座った。自己紹介と「今週あった良かったこと」をスピーチ。

みんな、話が長い。
だけど、文章を書く人たちの話はおもしろい! だから全然飽きない。
「よかった!」「おめでとう!」「最高!」と、笑いと拍手の絶えない自己紹介だった。

宴もたけなわ。
気づいたら、ワインとシャンパン3本、梅酒1本がカラになってた模様。(飲める人はそんなにいなかったはずなのに・・・・・・)

ついに、本丸、スパイスカレーが登場。
はい、どん。

パスティマライス付き、オクラキーマカレー

いや、もはや言うことはない。おいしいの一言。
私が雑に切ったオクラ、ちょっと大きすぎたかも・・・・・・
我がスパイスカレーの師匠ますみさんのスパイスカレーは、想像以上に優しい味だった。スパイスが主張しすぎず、でもしっかり香りはあって、それぞれが完璧に調和している。辛すぎず、甘すぎず、絶妙な味のバランス。
誰が食べてもおいしい。どんな好みの人にも合うカレー。さすがわが師匠。
私のスパイスカレー道はまだまだ研究の余地があるなあと、精進を誓った次第。
何度もお皿によそって食べた。
あんなにたくさんのスパイスおつまみを平らげ、呑んだのに、まだ食べられる。パスティマライスがパラパラ、サラサラ、とても食べやすいことを知った。
「日本のお米だと、お腹が膨れてこんなに食べられないね」
と、どなたがおっしゃっていたが、ほんとそう。

そして、怒濤のお片付けタイム。
皆さんの手際の良いこと。洗う人、拭く人、作業台を片付ける人、入れ替わり立ち替わり、どんどん片付けていく。
最後は、お土産の大交換会。
日本全国津々浦々のお土産がお皿が空いたテーブルに並ぶ。

丁寧にラッピングされたお土産

イベントは、わたなべますみさんのnoteから始まった。

ますみさんがこのイベントで期待したのは、

自分が何やってるとか、何やってきたとか、肩書きとか、
集まる人はみんな、そんなん家に置いてきて。
その時その場を思いっきり楽しんで、美味しいもん食べて、
しゃべって笑って、
おいしかったねー!
楽しかったねー!
また遊ぼうねー!
ばいばーい!

って最後に言うて別れる、大人たちの場。

わたなべますみさんのnote:【満員御礼!!】やりたいから、やってみます! #okatteスパイス ✖️noteユーザーin岡山

ますみさんの期待どおりのイベントになった。
お土産を抱えた人たちが、一人、また一人と会場を後にする。

「ほんと、おいしかった!!」
「すごく楽しかった!!」
「また会いましょうね!」
「次は東京で!」
手を振って「バイバーイ!」

そして、翌日に岡山のスイーツを食べに行く計画を立てた人たちや、別の集まりで会う人たちは、
「また、明日ね!」
と子どもの夏休みのような約束を交わす。

自分が何やってるとか、何やってきたとか、肩書きとか、
集まる人はみんな、そんなん家に置いてきて。

わたなべますみさんのnote:【【満員御礼!!】やりたいから、やってみます! #okatteスパイス ✖️noteユーザーin岡山

解放。
そんな言葉が頭をよぎった。

大人でも、心のどこかに子どもの部分を持っていると思う。
ずっと大人でいるのって、本当はしんどい。本心を隠したり、言いたいことを堪えたり、言わなくていいことを言ったり、やりたくないことをやったり、泣けなかったり、笑えなかったり、じっとしていたり。
日々の大人的な行動に押されて縮こまった子どもの心を「解放」する場所が、このイベントだったのではないか。
自分が何者かなんてどうでもよくて、ただ子どものようにはしゃいで、子どものように食べて呑んで、子どものような約束を交わす。
「みんな、ごはんを食べに岡山まで来るなんてどうかしてる」
と、ミユキさんはうれしそうに笑ったが、ほんと私たちどうかしてる。
でも、この「どうかしてる」ことが、解放であり、明日の「大人的生活」の糧なのだ。
詰まったものを一気に解放して、心を空っぽにしてくれる、そんな場所だった。

ますみさん、ミユキさん、サラさん、素敵な場所をありがとう。

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RUMI
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