Moderating growth 英語とか経済の話
たまには真面目な話シリーズ。後半に有料鍵。
「モデレーター」というと、一般的なイメージは、討論のホスト・司会者。問題提起したり、対話を促したり、無茶いうやつは黙らせたり。
moderate という言葉の語源は、ラテン語の「和らげる」というところからで、moderate(形容詞)で「適度」、modest 「慎み深い」とか accomodate 「合わせる」にもそのニュアンスが使われている。なので、モデレーターの本来の意味は、場を和らげるということか。
ところで話は突然飛ぶが、OECDが計算して発表している景気の先行指数からの今後の景気動向の予想は、OECDによれば、現在(2021年8月時点)、先進国経済であるOECD加盟国経済は "moderating growth" 「鈍化する成長」を示唆しているという。ここでは moderating は、和らいでいく、鈍化していく勢いというニュアンスか。
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景気の先行指数というのは、わかりやすく言うと、実際の景気に先立って世の中の物事が動くしくみに注目して、それら数字の動向を指数化して、景気の回復や鈍化の転換点を見出そうとするもの。通常、半年くらい先の景気を占うものとして使われる。
例としては、新規求人数。景気が今後よくなると思えば企業は求人を増やし、景気悪化の恐れがあれば減らす。その数字の変化が今後の景気動向を示唆する。
その他、機械受注だったり、新設住宅着工だったり、さらには皆の企業業績の期待の結果が反映される株価指数だったりが、景気先行的な指標とされている。それらを、過去のデータを使って実際にどれくらい先行していたのかを統計的に検証して採用。さらには、かなり数学的なトレンドや増幅などの統計的調整をやったもので検証して、有効そうなものが使われている。
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