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感想文部 【毎週ショートショートnote】工作員ヤンの潜伏記 10
日本に潜入した工作員ヤンは、当然、本国の諜報局の管理下にあった
毎月日誌をまとめて暗号化して送付していた
それを党の教義から、工作員の使命として適切か、チェックをいれていたのが諜報局感想文部工作員課
日誌を感想文という形で指導し、必要に応じて厳しく反省させる、そんな役割
一方で、ヤンの同棲中のボリビア人留学生のエリサも、最近、ある監督下にはいっていた
*
このヤン、C国のコバート・アセットっぽいな、どう思う?
可能性大だね、サーベイランスいれてみよう、とCIA工作員の日系人カーニィ田原は答える
エリサは、2人のアメリカ人に声をかけらる
ヤン君が、本人が知らない間に、重要な政府機密の伝達役に利用されているので、彼を助けるためにも動向を報告してほしい
ヤン君が気がつくとヤン君が危険なので、わからないように彼の行き先、チャットをみておいてほしい
エリサは断ったが、こんな提案があった
毎月10万円の現金、そして、2年たったら米国永住権への便宜
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人が人を探り合って、感想という名の支配に置いている
(437字)
たらはかにさんのショートショート企画に参加です。
先月、カミングアウトコンビニというシュールなテーマでテキトーに登場させた工作員の留学生ヤンくんが何故か気になって勝手に連作にしてますが、ショートショートの趣旨から毎回それぞれ独立してそれなりに完結させようとしてます。
人が人を疑い、諜報をいれて、騙し合う。そんなエピソードをいれたいなと思っていたので、「感想文部」はちょっと無理はありましたが、いかにも権威主義体制が組織として活動を論評するような部局として押し込めてみました。
15回目くらいで要人暗殺事件の悲劇の最期へと展開です(たぶん。お題しだいですが)。