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さいごに何食べたい

日曜の気だるい午後、Noteのログインした画面にでていた企画に参加を思い立ちました。なにかしていないと、寝てしまう。

最後に食べたいもの、か。

まず設定として、突然の事故死とかじゃなくて、病気とか老衰で、自分の最期が近いことがわかったような状態で、これであと何時間かで息を引き取るというようなことなのか。

病気でも老衰でも、体はもうかなりへたっているだろうから、まずはあと何時間か生きるためのカロリー源は確保しないとな。なので、白湯とかはNG。長い間走り続けてきたSLが引退の最期の運行するみたいに、自分の体の最期の数時間のエネルギーはちゃんとした良質なものを投入したい。惜しまれながら、最後の運転でも、点滴とか生命維持装置とかに頼らずに、心臓よ、きちんと最後までドキンドキンと脈を打って、終点駅が近づいてきたらゆっくりと減速して役目を終えて欲しい。

たぶん病院にいて、家族が呼ばれてきていて、なにか食べたいものない?とか聞くんだろう。

そんなとき、あ、菊川のうな重食いたいとか、ココイチのポークカレー食いたいとか、王将の餃子食いたいとか、スペインで食ったトルティーヤ最後にまた食いたいとか、メキシコのチラキレス、ニューヨークのベーグル食いたいとか、そんなことを家族に頼めんよなあ。お取り寄せ間に合わないだろうし。

案外、こっちが気を使って、近くのコンビニに走って買ってこれるようなもので、その時流行ってて、最期に所望するものとしてはウケ狙いのものを口走ってしまうかもな。たとえば、今だったら、タイトル画のマリトッツォとか。それで、あの親父、最期にマリトッツォかじって往生したよ、とか伝説を残す。

まあ、僕は、死んだら天国か地獄に行くという宗教観でもないし、かといって無になるとも思わないし、まあ、仏教的な輪廻転生で、今世が功徳不足でもう一度やり直せと、どっかの国の人間にまた生まれてくるんじゃないかなと思っている。動物とか虫とかだとちっと嫌だが。ここらへんの考え、このPostにあります。

なので、次はどこかの国で、男性だか女性だか、ジェンダーがグラデーションであるならその中間だかで、また生を受けるとするなら、今世は日本人であったことに敬意を表して、最期は、手に入れやすく、そして食べやすいなにか「和食」を所望しようかな。

病気だとすると、あるいは老衰だとすると、やはり歯も無くなって硬いものは噛めないだろうから、柔らかいものかな。最期でも、炭水化物よりもタンパク質かな。

コンビニに売ってる和食で柔らかいもので美味いもの。。。豆腐かな。

「最期に豆腐を一口食べたい。絹ごしのを、冷奴で、鰹節と醤油でね」とか言おうかな。

いや、豆腐は中国とかにもあるな。来世が中国人でも豆腐は食えるな。なにか日本的なものは?

うーん、納豆かな。

ネギをかけてもらって、小粒なやつを100回くらいこねたやつを、ねばーっと糸引かせながら箸で5粒くらい口に運んでもらう。それを歯の無くなった歯ぐきで噛んで飲み込む。納豆の発酵の風味が口に広がる。

それで、末期の水を飲ませてもらって言う。

「納豆食ぅだけに、けっこう、なっとぅくぅのいく人生でした。ありがとう」

そして、家族がその一世一代の最期の駄洒落にさむ~っとした反応みせながらも涙の笑顔をみせてくれているところで、息を引き取る。

そんな妄想してます。■


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