【no pole】プロジェクトに参加したかった理由③
no poleプロジェクトに参加したいと思った理由の3つ目です。
私は年を重ねたことでLGBTの世界に人生の半分以上身を置いてます。なので、相当昔のno poleが開発しようとしているモノたちを見てきました。経験が少ないのであまり沢山でないのですが、これだけは財産かなと思うのは昔のソレを知ってる、しかもされる側として体感してるということです。
この記事を読んでくださっている方々の年齢は全くわからないですが、私は現在アラフォー、その人生の半分以上前を遡るとなると少なくとも20年くらい前のお話になります。その頃の時代背景をわかりやすくするなら、一番変化の激しい携帯電話に関して言えば、私の手元にあったのは二つ折りの今で言うガラケーといえばなんとなく掴めるでしょうか?
私の周りに限って言えば、当時FTMという言葉はなく「トランス」と言っていて、レズビアンの中にも今のような多種多様な分類はなく「ボイ(ボーイッシュ)」かそれ以外(フェムという言葉はなかったように記憶してます)しか存在しないような時代に、今no poleで開発しようとしている夜のグッズ系といえば当然のように挿入型、しかも今考えたら物凄く原始的な構造だったように思います。
それこそナベシャツだって存在はしていたのでしょうが、今のようにスマホを少し操作すれば簡単に調べられて注文できてすぐ家に届くなんてシステム自体がなかったので、私の周りはサラシやボディバンドなどで代用している方々ばかりでしたし、そんな時代の夜の商品ですから気軽にド○キに買いに行ってゲットできる程度の物でもなく、きっと彼らはあらゆる手段を使って調べてやっと手に入れたものだったのではないかと想像します。
その、原始的なモノは正直、凄く使いづらく装着にも時間がかかるし、色も形も男性が夢と理想を乗せて作ったんだろうなと想像するに難しくない言葉を選ばずに言うなら「現実的ではない」サイズと固さで、アレを気持ち良いと受け入れるのは相当な前準備とお互いのコミュニケーションが成り立たないと難しいだろうなと今でも思ってます。
そういうモノをいくつか見てきて体験した私は、それからというものどのジェンダーの方がお相手でも挿入型であってもなくても行為に肉体以外の何かを使われるのがとても苦痛で嫌だなと思うようになりました。何かを使われることによって、どうしても私自体がモノ扱いされてるような気になってきたからです。別の言い方をするなら、行為をするお相手の身体の構造がどうであろうとも、肉体に触れること、肌が触れ合えること、ギュッて抱きしてられたり体温を感じることが何より大事だとお互い思っていたいと感じるようになりました。
ただ、そこでぶち当たったのが自分の気持ちと、お相手が自分の身体をどう受け止めどう向き合ってきてどう有りたいかに違いがある場合もあるということです。お付き合いしたFTMさんやビアンの「たち」さんの中には前述したようにモノを使う方がいた訳で、それを行為の遊びとして捉えるか本人が切実にそれを自分自身として相手に挿入したいと思ってるかで温度差があります。後者の場合は、私には想像しか出来ないのですが、きっとソレがとても必要な存在なのだと思うのです。
そこでno poleのお話に戻ってくるのですが、夜の道具や生活について真剣に真面目に取り組むプロジェクトに参加すれば、はるか昔に昔のソレを見たり体験した立場として、率直に何が気持ち良いのか/良くないのか、受ける立場からも理想だけではない現実的なお話ができるのではないかと思ったのです。
前に、私があまり道具を使われるのが好きでない話をして、モノ扱いされた気になったって理由を話したら「そんな気持ちになるなんて知らなかった」と言われたことがあります。行為というのはコミュニケーションで、毎回お互いがちゃんと話し合ってお互いが気持ちよくなれたら理想ですが、酔った勢いやら雰囲気やらアレコレで、ちゃんと全ての了承をすっ飛ばして至る場合もままある訳で、そんな時にだって、お互いのすれ違いは少ない方がいいに決まってます。なので、受ける側の意見だって少数派であったとしても知られていた方が良いと思うのです。
性に対して真剣に真面目に悩んだり考えたり出来るプロジェクトに入ってハゲるほど悩んで喧嘩しても意見言って開発したら(大袈裟?)もしかしたら自分がモノ扱いされたと思わないような挿入型だってできるかもしれない、挿入せずともお互いが気持ちよくなれる素材や形に巡り会えるかもしれない(今、第一弾で世に送り出そうとしてるのはまさにコレですね)グッズだけでなく、夜の生活ビギナーさんが戸惑わないようなAVが作れるかもしれない(ビギナー向け以外でもAVについては無茶苦茶欲しくて、応募時の志望動機でかなり主張しました)更に言えば、様々な志向の方向けにだって何か開発出来るかもしれない、そういう夢と希望に満ち溢れた考えを持ったのです。
LGBTQ+の今後や未来を考えている方々は沢山いてあらゆるプロジェクトがどんどん進んでいるなと、最近力強く思ってます。衣食住の分野で、医療や心のケアの分野で、また様々な方に知られるメディアでLGBTQ+の方々は活躍されて、徐々にオープンにもなり、次の時代を作る方々により良い形でのバトンを渡していけるよう沢山考えて、自分のような悩みの人はいないか苦しんでる人はいないか、悩み苦しんだからこそ少しでも道が明るくなるように照らそうとする人たちがいっぱいです。
そんな中で、性の部分というのは大切なのに後回しにされてきたような気がします。しかもパートナーとお互いが気持ちよくなろうとか、抱き締めあって体温を感じてっていう本来ならば考えなくても出来ることを出来なかったからこそ悩みを解決していこうなんて、正直聞いたこともなかったです。
私、プロジェクトに参加したいと心から思いましたし、沢山の言葉も本音も並べました。
ただ本当に1番心に染み入ったのは、お互いに気持ちよくなろうとか、パートナーと話し合いながらお互いの良いところを考えられるとか、肌で触れ合って体温を感じてお互いにギュってしたい、って考えを持てる方々と賛同できる方々は今パートナーがいるにしてもそうでないにしても、独り善がりでなく相手をとても愛して思いやれる方なんだろうから、グッズがあってもなくてもちゃんと夜のコミュニケーションが取れてるんだろうし、そこに更に何かがプラスされてお互いの満足度が高まるならもっと素敵って思えるからなんです。
そういう心遣いの出来る優しい温かい方々に触れる事で、今までの自分の経験の中から考えたことの鎧が少しずつ剥がれて、もっと夜に対しても積極的に前向きに明るく考えられて「隠すべきこと」「恥ずかしいこと」ではなくハッピーに語って良いことだって心の変革になるんじゃないかなって思ったんです。
どんなに綺麗な言葉で飾っても、結局は自分の為、自分がしたいと直感が訴えたから、が大きな大きな理由です。
最初はエゴで走り出して、気持ちが暴走したりしないか心配でしたが、第一弾を世に送り出そうと日々熱く語り合ってるメンバーを見たら、私、絶対に間違えてなかった、ここで良かったんだと実感します。
きっかけは確かに温かさと優しさと情熱に触れたかったから、ではありますが、ここにいられるからには様々な経験を活かして真っ向から今まで苦手だと思っていた夜の生活のお話にも体当たりしていこうと思います。が、夜ネタビギナーですので今後、顔を出してそういうお話になった時に急に黙ったりうつむいたりごまかしたり、何とか話しても真っ赤になったりするかとは思いますが、ま、そこはご愛嬌と受け止めていただけたらと、心から願います。
そして、実は参加させていただいてるno poleではただ今クラウドファンディング実施中です。熱い思いが詰まって、これからの道標にもなっていきそうな、今までこの世になかったものを世に放とうとメンバー一丸となって皆さまにお伝えし、温かいご支援をいただいています。詳しいことは以下のURLよりご確認いただけましたら幸いです。
URL飛ぶの面倒?歴史の立役者になれるのに?
https://motion-gallery.net/projects/nopole
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