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手紙
拝啓 まだまだ寒い日が続きますが、梅の花も綻び春の訪れを予感させます。
お元気ですか?
お元気って聞くのも変ですか(笑
君が逝ってから、もう三ヶ月という月日が流れました。
早いものですね。
こんなふうにもう半年、もう一年…て、指折り数えて「早いなぁ」って何度言うんだろう。
何回言ったら君のそばへ行ける日が来るのかな。
そんなふうに言ってると、君は怒るかもしれない。
ていうか、怒るよね、絶対。
君にまた会ったら、きっと笑顔で迎えてもらうために、私は私で私自身の道を選んで歩まなきゃいけない。
そんなごくごく普通の当たり前のこと、どうして難しいと思うんだろう。自分にも素直になれないそんな私だから、そんなふうに感じてしまうのかもしれない。どっちにしろ、いつも言い訳ばかりしてるような人生、君にとってみたらバカみたいだよね。わかってる。
後悔ばかりの人生なんて面白みもない。
だけど、後悔のない人生なんて人間味にかける。
そんな矛盾を抱えて、ずっとこの先生きてくんだ、私は。
この間、島原に旅行へ行ったとき、君にお土産を買ってきたんだ。
君の励みになればと買ったのに、渡せないままで…。
君のお葬式にも行けなくて、結局渡せなかった。
モンチッチなのに坂本龍馬で、君なら絶対気に入ると思ったストラップ。
もう渡せないんだね。
早く届ければ良かった。ごめん。
一度だけお見舞いに行ったね。
いつもの軽いノリだった私。
私と会うといつも笑えるって言ってくれたよね。
ありがとう。
あの日も笑ってもらえた?
深刻なのが苦手で、現実なんか見たくなくて、いつも冗談ばかりでごまかして、ちっとも大人になれない私なのに、いつも笑顔だった君についついもっとおどけてしまうんだ。
どんな時でも、笑ってくれてありがとう。
私が君にしてあげられたことなんて、君の人生の一瞬よりも短い。
ほんのちょっとの、しかもしようもないくだらないバカ話ばかりで、プラスになることなんてなかったかもしれない。
それなのにいつも笑顔でありがとう。
君と過ごした時間はとても短いけれど、君との思い出は楽しいものばかり。
いつも笑顔をありがとう。
君のあの小悪魔的な笑顔をいつでも思い出します。
変わらぬ笑顔でまたいつか会いたいね。
敬具
2010年2月20日 平井蓮華
tomo江
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