【ビジネス構想策定】04 ビジネス構想策定 14ステップ(後編)
ビジネス構想策定 14ステップ
ビジネス構想策定を14ステップで実行します。
この記事では、7ステップから14ステップまでのアクティビティ ステップについて解説します。
ビジネス構想策定 プロジェクト組織体制とは
ビジネス構想策定 プロジェクト組織体制とは、「ビジネス構想策定プロジェクト実行における役割、責任および権限を定めた組織の形」のことです。
プロジェクトオーナーは、課題解決プロジェクト起案における責任者として経営会議への起案、予算執行、人財アサインメントなどの権限を有します。ビジネス構想策定におけるプロジェクト継続可否の判定およびビジネス構想案および課題解決プロジェクト 実行計画案への承認を行います。
プロジェクトリーダーは、ビジネス構想プロジェクトにおける推進責任者としてビジネス構想策定の推進をリードします。また、予算管理、リソース管理、品質管理、進捗管理などを行います。適時、プロジェクトオーナーへプロジェクト進捗状況を報告します。
チームリーダーは、担当するプロジェクトプロセスにおいて成果/成果物の生成をリードします。プロジェクトプロセス毎に分析チーム、評価チーム、定義チームなどを編成します。適時、プロジェクトリーダーへチーム進捗状況を報告します。
チームメンバーは、担当するプロジェクトプロセスにおいて情報収集、分析、評価、定義などを実施し、成果/成果物を生成します。適時、チームリーダーへ進捗状況を報告します。
ビジネス構想策定 アクティビティ ステップとは
ビジネス構想策定 アクティビティ ステップとは、「ビジネス構想策定 14ステップ毎に成果を創出する活動の基本形を定めたもの」です。
ビジネス構想策定プロジェクトをプランニングする際には、この基本形に基づいてプロジェクト・アクティビティ ステップを組み立てます。
7.課題を分析し、施策を抽出する
課題分析アプローチに基づいて、分析テーマ毎に情報収集および分析を実施し、施策を抽出します。
分析テーマ毎に分析チームを編成します。分析チームは情報収集およびヒアリング・セッションを実施した後に分析および評価を実施します。適時、分析・セッションおよび評価・セッションを実施します。
抽出する施策の粒度は、「施策実行により創出する成果および成果物を特定できる」「施策実行により創出するプロジェクト・キャッシュフローを算出できる」「施策実行における進捗を測定できる」ものとします。
8.外部リソースを評価する
外部リソースとは、「ビジネス活動に必要とする資源の中で、自組織では所有せず外部組織が所有する資源のこと」です。例えば、3PLサービス、BPOサービス、アウトソーシングサービス、レンタルオフィス、レンタル倉庫、パッケージソフトウェア、クラウドサービスなどです。
企業が課題解決に取り組む際に自らの経営資源を変革するだけではなく、外部リソースを活用する選択肢もあります。外部リソース活用を選択肢とする場合、外部リソースを評価します。
評価する方法のひとつとして、外部リソースを提供する企業へ提案を依頼する方法があります。ビジネス構想策定において外部リソースを提供する複数の候補企業へ1次提案を依頼し、評価を実施した上で少数の候補企業に絞り込みます。次にビジネスデザインにおいて絞り込んだ少数の候補企業へ実現すべき姿・要件に基づいて2次提案を依頼し、外部リソースの最終評価を実施することが一般的です。
提案依頼チームおよび評価チームを編成します。提案依頼チームは候補企業とのコミュニケーションを実施し、評価チームは質問項目を定めて、質問項目に対する回答の採点および評価ランク付けを実施します。
提案依頼実施方針案を定めた上で、プロジェクトオーナーへ報告し承認を得ます。
次に実現すべき姿および要件に基づき、外部リソースに関する質問項目を定め、提案依頼書をまとめた上で、候補企業へ提案を依頼します。事前に候補企業と秘密保持契約を締結します。
次に提案を依頼した候補企業から受領した質問項目に対する回答を評価し、少数の候補企業に絞り込みます。
9.評価する課題解決プロジェクト案を定める
課題を分析し、抽出した施策および外部リソースの評価結果に基づいて、複数の課題解決プロジェクト案を立案し、各々のプロジェクトリスクおよびプロジェクト投資価値を評価します。
評価する課題解決 変革テコ 選択肢の組み合わせを定めることにより、評価する課題解決プロジェクト案を絞り込むことが可能になります。
評価する課題解決プロジェクト案毎に施策の組み合わせを定めます。
次に評価する課題解決プロジェクト案毎に施策スコープ、プロジェクトスコープを定めた上で、プロジェクト活動時間を算出し、プロジェクトスケジュールを定めます。
10.プロジェクトリスクを評価する
課題解決プロジェクト案毎にプロジェクトリスクを抽出し、プロジェクトリスクレベルを評価の上、プロジェクトリスクに対する態度および対策を定めます。
プロジェクトリスク評価チームを編成します。プロジェクトリスク評価チームは、情報収集を実施した後に分析および評価を実施します。適時、分析・セッションおよび評価・セッションを実施します。
プロジェクトリスクを抽出する際には、専門家および類似プロジェクト経験者へのヒアリング・セッションを実施した上で、プロジェクト関係者と検討・セッションを実施します。
次に抽出したプロジェクトリスクにおけるプロジェクトリスクレベルを評価します。プロジェクトリスクレベルを評価する軸は、「起こりやすさ」および「目標達成に対する影響度」です。
次にプロジェクトリスクレベルの評価結果に基づいて、プロジェクトリスクに対する態度および対策を定めます。プロジェクトリスクに対して定める態度は、「リスクを回避する」「リスクを追求する」「リスクを共有する」「リスクを低減する」「リスクを保有する」です。
11.プロジェクト投資価値を評価する
課題解決プロジェクト案毎にプロジェクト投資価値を評価し、プロジェクト投資判定基準に基づいて投資可否を判定します。
プロジェクト投資価値評価チームを編成します。プロジェクト投資価値評価チームは、情報収集を実施した後に評価を実施します。適時、評価・セッションを実施します。
あらかじめプロジェクト投資判定基準を、「正味現在価値(NPV)」「内部収益率(IRR)」「投資回収期間」などの組み合わせで定めます。
次にプロジェクトリスク評価結果に基づいて、評価シナリオを定めます。評価シナリオは3つの評価ケース「基本ケース」「悲観ケース」「楽観ケース」で構成します。
次に課題分析結果からプロジェクト・キャッシュイン項目およびプロジェクト・キャッシュアウト項目を抽出し、プロジェクト・キャッシュフローを算出します。
12.課題解決 実現方針を定める
評価した課題解決プロジェクト案の中から課題解決プロジェクト(実行する施策)を選択します。
実行する施策における施策進捗を測る評価指標・目標値および達成期限を定めます。
プロジェクトオーナーおよびエグゼクティブの皆様と課題解決 達成目標(主要成功要因、評価指標、目標値、達成期限)、実現すべき姿、実行すべき施策、課題解決アプローチ、実現すべき姿を定義するアプローチ、プロジェクトリスク対策について合意します。
また、目標達成において変革の影響を受けるステークホルダーの皆様との合意を形成することが肝要になります。
13.課題解決プロジェクト 実行計画を定める
課題解決 実現方針に基づいて、課題解決プロジェクト 実行計画を定めます。
課題解決 変革テコおよび施策に基づいて、施策スコープおよびプロジェクトスコープを定めます。
次にプロジェクトスケジュールおよびプロジェクト体制を定めます。
次にプロジェクトリスク評価結果に基づいて、プロジェクトリスク対策計画を定めます。
14.ビジネス構想をまとめる
ビジネス構想策定における成果一式をまとめます。
プロジェクトオーナーへビジネス構想策定における成果を最終報告し承認を得ます。
【次に参考にしていただきたい記事】
次の記事では、「課題解決 達成目標を定める」について解説しています。ご参考になさってください。
【ビジネス構想策定】BC01 課題解決 達成目標を定める
公開予定です。
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