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【プロジェクト プランニング】04 プロジェクト プランニングにおける技法 施策スコープ定義


プロジェクト プランニングにおける技法 施策スコープ定義

課題解決プロジェクトをプランニングする際には、変革する経営資源に基づいて施策スコープを定めます。

施策スコープとは、「課題解決プロジェクトにおいて対象とする経営資源の範囲のこと」です。

施策スコープを、「調査・分析の対象とする範囲」および「施策実行の対象とする範囲」の2つに分けて、対象を定めます。

課題解決プロジェクト毎に、対象とする経営資源は異なります。

この記事では、施策スコープとして「事業領域」「組織」「ビジネスファンクション」「ビジネスイベント」「ビジネス情報」での対象とする範囲を表記する方法について解説します。

経営資源 要素


施策スコープ表記方法:事業領域

事業領域とは、「企業が顧客へ価値を創出し、提供する活動を分類したもの」です。

事業領域を、「顧客」「顧客へ提供する価値(製品・サービスなど)」「価値を創出・提供するための一連のビジネスファンクション」の組み合わせで分類します。

事業領域毎に一連のビジネスファンクションを定義し、対象とする事業領域および対象外とする事業領域を表記します。

一連のビジネスファンクション


施策スコープ表記方法:ビジネスファンクション

ビジネスファンクションとは、「ビジネス活動を構成する要素を顧客への価値創出および価値提供の観点で分類したもの」です。

ビジネスファンクションスコープとは、「課題解決プロジェクトにおいて対象とするビジネスファンクションおよび対象外とするビジネスファンクションを定めたもの」です。

ビジネスファンクションスコープを定義し、ビジネスファンクション・マップを用いて表記します。

ビジネスファンクションスコープ
(ビジネスファンクション・マップ)


施策スコープ表記方法:組織

関係する組織とは、「特定の事業領域におけるビジネス活動において役割を有する組織のこと」です。

関係する組織を、「顧客(顧客企業、消費者など)」「取引先(仕入先、業務委託先など)」「官公庁、行政機関」「金融機関」「自企業組織」「グループ企業組織」の6つに分類し、抽出します。

外部組織とは、「ビジネス活動において情報の受け渡しが発生する組織および個人こと」です。

関係する組織に基づいて、分析・調査の対象とする組織および外部組織を定義し、ビジネスイベント バウンダリー・マップを用いて表記します。

関係する組織 6つの分類

対象とする組織
(ビジネスイベント バウンダリー・マップ)


施策スコープ表記方法:ビジネスイベント

ビジネスイベントとは、「ビジネス活動の始まりを定めたもの」です。

ビジネス活動の始まりを、以下の2通りとして定義します。

外部組織からビジネス情報を受けることにより始まるもの (外部によるビジネスイベント)
あらかじめ定めた時間により始まるもの (時間によるビジネスイベント)

ビジネスイベントを、「外部組織」「ビジネス情報」「事由」「頻度」「媒体」の5つの要素の組み合わせで定義し、ビジネスイベント一覧を用いて表記します。

ビジネス活動の始まりは2通り

ビジネスイベント 5つの要素

ビジネスイベント一覧


施策スコープ表記方法:ビジネス情報

ビジネス情報とは、「ビジネス活動において収集、編集、記録、伝達、保管、廃棄することを必要とする情報のこと」です。

ビジネス情報を、以下の4つに分類し定義します。

ビジネスリソースとは、「経営資源に関するビジネス情報で、主に経営資源管理業務において用いるもの」です。例えば、顧客、取引先、組織、人財、製品、商品、サービス、原材料、部品、土地、建物、設備、情報システムなどです。

ビジネストランザクションとは、「外部組織と受け渡しをするビジネス情報で、主に取引業務において用いるもの」です。例えば、見積、販売契約、受注、売上請求、入金、見積依頼、購買契約、発注、購買請求、支払などです。

ビジネスマネジメントとは、「事業管理に関するビジネス情報で、主に計画・管理業務、財務会計業務において用いるもの」です。例えば、販売管理台帳、債権管理台帳、購買管理台帳、債務管理台帳、固定資産管理台帳、資金管理台帳、B/S、P/Lなどです。

ビジネスアナリシスとは、「外部環境および内部環境から収集するビジネス情報で、主に経営管理業務、分析業務において用いるもの」です。例えば、市場動向、競合動向、顧客動向、製品・商品動向、経営状況などを分析するために収集するものです。

対象とするビジネス情報のエンティティ名を定め、4つの分類毎にエンティティ一覧、ER図(概念モデル)を用いて表記します。

ビジネス情報 4つの分類

エンティティ一覧(概念モデル)

ER図(概念モデル)


【次に参考にしていただきたい記事】

次の記事では、WBS構成要素分解を用いることによりプロジェクトプロセスを定義する技法について解説しています。ご参考になさってください。

【プロジェクト プランニング】05 プロジェクト プランニングにおける技法 WBS構成要素分解
https://note.com/rtree_b_design/n/n5e0ad3d08cb5



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