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【プロジェクト プランニング】09 プロジェクト プランニングにおける技法 スケジュール・ネットワーク分析


プロジェクト プランニングにおける分析技法 スケジュール・ネットワーク分析

課題解決プロジェクトをプランニングする際には、プロジェクトプロセス毎にプロジェクト活動時間を測定した上で、プロジェクトスケジュールを分析します。

プロジェクトスケジュールは、3つのレベル「プロジェクト全体 スケジュール」「プロジェクトフェーズ スケジュール」「プロジェクト・アクティビティ スケジュール」で定めます。

この記事では、プロジェクトフェーズ毎のプロジェクトプトセス依存関係に基づいて、プロジェクトフェーズ スケジュールを分析する技法について解説します。


プロジェクトスケジュールとは

プロジェクトスケジュール 3つのレベル

プロジェクトスケジュールとは、「目標とする期間内にプロジェクトおよびプロジェクトプロセスを遂行するためのスケジュールのこと」です。

プロジェクトスケジュールは、3つのレベル「プロジェクト全体 スケジュール」「プロジェクトフェーズ スケジュール」「プロジェクト・アクティビティ スケジュール」で定めます。

プロジェクト全体 スケジュールとは、「プロジェクトを構成するプロジェクトフェーズ毎の開始予定日および完了予定日を定めた全体スケジュールのこと」です。

プロジェクトフェーズ スケジュールとは、「プロジェクトフェーズ毎のプロジェクトプロセス依存関係に基づいて、プロジェクトプロセス毎の開始予定日および完了予定日を定めたスケジュールのこと」です。

プロジェクト・アクティビティ スケジュールとは、「プロジェクト・アクティビティ ステップ毎の開始予定日および完了予定日を定めた詳細スケジュールのこと」です。

プロジェクトスケジュールを分析する 3つの視点

プロジェクトスケジュールを、3つの視点で分析します。

スケジュール短縮化とは、「活動期間を短縮するために、クリティカル・パス上にあるプロジェクトプロセスの生産性およびリソース投入量などを調整すること」です。

リソース平準化とは、「リソース投入量を一定にするために、プロジェクトプロセスの開始日および期間、チーム・フォーメーションなどを調整すること」です。

リソース円滑化とは、「リソース稼働を高めるために、プロジェクトプロセスが有する余裕日数を用いてリソースアサインメントを調整すること」です。

プロジェクトスケジュールを分析する 5つの要素

プロジェクトプロセス 2つの余裕日数

トータル・フロートとは

フリー・フロートとは

プロジェクトプロセス 4つの日付 表記法

プロジェクトスケジュールを分析する5つの要素は、以下のとおりです。

 プロジェクトプロセス依存関係
 プロジェクトプロセス毎のリソース投入量
 プロジェクトプロセス毎の所要日数
 プロジェクトプロセス毎の余裕日数
 最短所要日数/クリティカル・パス

プロジェクトプロセス依存関係とは、「プロジェクトプロセスの開始・完了順序、開始・完了条件などを定めたプロジェクトプロセス間の関係のこと」です。

プロジェクトプロセス毎のリソース投入量とは、「プロジェクトプロセスにおける活動を遂行するために割り当てる要員数および活動可能時間のこと」です。

プロジェクトプロセス毎の所要日数とは、「プロジェクトプロセスにおいて活動を開始してから完了するまでに要する日数のこと」です。

プロジェクトプロセス毎の余裕日数とは、「トータル・フロートおよびフリー・フロートのこと」です。

トータル・フロートとは、「プロジェクトプロセスを最早開始日で開始し、最早完了日で完了する場合に有する余裕日数のこと」です。

フリー・フロートとは、「プロジェクトプロセスを最早完了日で完了し、後続するプロジェクトプロセスを最早開始日で開始する場合に有する余裕日数のこと」です。

トータル・フロートおよびフリー・フロートを算出するために、プロジェクトプロセス毎に4つの日付を算出します。

最早開始日(EST)とは、「最も早くプロジェクトプロセスを開始できる日のこと」です。
ESTは、Early Start Time の略称です。

最早完了日(EFT)とは、「最も早くプロジェクトプロセスを完了できる日のこと」です。
EFTは、Early Finish Time の略称です。

最遅開始日(LST)とは、「活動全体の完了日を守るために、プロジェクトプロセスを開始しなければならない日のこと」です。
LSTは、Late Start Time の略称です。

最遅完了日(LFT)とは、「活動全体の完了日を守るために、プロジェクトプロセスを完了しなければならない日のこと」です。
LFTは、Late Finish Time の略称です。

最短所要日数とは、「最短でビジネス活動を完了できる日数のこと」です。

クリティカル・パスとは、「トータル・フロート=0 であるプロジェクトプロセスの繋がりのこと」です。最短所要日数の経路になります。


プロジェクトプロセス依存関係とは

プロジェクトプロセス間における4つの依存関係

プロジェクトプロセス依存関係とは、「プロジェクトプロセスの開始・完了順序、開始・完了条件などを定めたプロジェクトプロセス間の関係のこと」です。

プロジェクトプロセス間の関係には4つの依存関係があります。

完了−開始関係(FS)とは、「プロジェクトプロセス間において、完了した後に開始できる関係のこと」です。
完了−完了関係(FF)とは、「プロジェクトプロセス間において、完了した後に完了できる関係のこと」です。
開始−開始関係(SS)とは、「プロジェクトプロセス間において、開始した後に開始できる関係のこと」です。
開始−完了関係(SF)とは、「プロジェクトプロセス間において、開始した後に完了できる関係のこと」です。
プロジェクトフェーズ毎に、プロジェクトプロセス依存関係を定めます。

以下にプロジェクトプロセス依存関係の例を記します。

【例】プロジェクトフェーズ毎のプロジェクトプロセス依存関係


スケジュール・ネットワーク分析

スケジュール・ネットワーク分析とは、「目標とする期間内にプロジェクト活動を完了させるプロジェクトスケジュールを、プロジェクトプロセス依存関係におけるクリティカル・パスを用いて分析すること」です。

スケジュール・ネットワーク分析 手順

プロジェクトプロセス依存関係を調整する

プロジェクトプロセス毎の所要日数を算出する

最早完了日を算出する

最遅開始日を算出する

余裕日数を算出する

最短所要日数/クリティカル・パスを抽出する

分析に必要とする情報は、以下のとおりです。

 プロジェクトプロセス一覧
 プロジェクトプロセス依存関係
 プロジェクト成果物一覧
 プロジェクト成果物関連
 プロジェクト・アクティビティ ステップ
 プロジェクトプロセス毎のプロジェクト活動時間

分析手順は、以下のとおりです。

分析に必要とする情報を収集し、目標とする所要日数を理解します。

次に、プロジェクトプロセス依存関係およびプロジェクトプロセス毎のリソース投入量を調整します。

次にプロジェクトプロセス毎の所要日数を算出します。

次にForward Pass(往路)算出で、プロジェクトプロセス毎の最早完了日を算出します。
最早完了日の算出式は、以下のとおりです。

最早完了日(EFT) = 最早開始日(EST) + 所要日数

次にBackward Pass(復路)算出で、プロジェクトプロセス毎の最遅開始日を算出します。
最遅開始日の算出式は、以下のとおりです。

最遅開始日(LST) = 最遅完了日(LFT) ー 所要日数

次に、プロジェクトプロセス毎の余裕日数を算出します。

トータル・フロートの算出式は、以下のとおりです。

トータル・フロート = 最遅完了日(LFT) ー 最早完了日(EFT)

フリー・フロートの算出式は、以下のとおりです。

フリー・フロート = 後続 プロジェクトプロセスの最早開始日(EST) ー 最早完了日(EFT)

次に、最短所要日数およびクリティカル・パスを抽出します。

プロジェクトプロセス依存関係およびプロジェクトプロセス毎のリソース投入量の調整を繰り返しながら、最適な最短所要日数およびクリティカル・パスを抽出します。


【次に参考にしていただきたい記事】

次の記事では、プロジェクト体制を定める技法について解説しています。ご参考になさってください。

【プロジェクト プランニング】10 プロジェクト プランニングにおける技法 プロジェクト体制定義
公開予定です。



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