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『虐殺器官』を読んだ (21/3)

伊藤計劃
『虐殺器官』
早川書房、2012年。

テロが無くなった代わりに内乱と紛争が頻発する世界観。主人公は軍人として暗殺を主に担う。

高校生の頃、打海文三の『裸者と裸者』シリーズを読んで衝撃を受けたことを思い出した。両書とも戦記物だ。未来が舞台で、生々しく血潮噴き出るような世界観。どうしてこのように話を作れるのか疑問だった。
打海、伊藤計劃、両者とも未完の大作を残して夭逝している。

戦争物の生々しさと、近未来のワクワク感が同居した作品。敵のドッグタグにを胃袋にしまっておいて、口蓋に紐で括り付けておく、なんてまさにその手の描写だ。どうしたらこんなことを思いつけるのか不思議でならない。

クライマックスは少し悲しい。それでもそういう終わり方もありかと考えさせるSF大作だった。

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