好きな営業先にばかり行ってはいけない
こんにちは。RtoRの井川です。
営業の仕事をしていると、自分が好きなクライアントや、自分のことを気に入ってくれているクライアントへの接触頻度が増えて、逆に自分があまり相手にされていないクライアントとのコミュニケーション量が減ってしまします。
私のように1人でやっているエージェントは、あまり相手にされていなければそれはそれで、贔屓にしていただけるクライアントに注力し、結果を出すこともできます。
しかし、通常は自分が担当する領域の企業や、自分が割り振られた企業は、何としてでも強いリレーションを構築したいものですよね。
「営業の主観で判断しない、LTVで判断する」
では、どのようなクライアントに対して、どの程度コンタクトを取っていくのが適切なのでしょうか?
私は、以前『「強い営業組織は評価が適切に行われる組織だ!」』でも書かせていただいた『LTV(ライフタイムバリュー)』に基づいて判断すべきだと思います。
そのクライアントは昨年、今年に何人採用しているのか?その採用数に対して当社のシェアはどの程度なのか?
例えば、5人採用する会社に対して、4-5人決定していれば、そこはこれ以上積極的にコンタクトしなくてもかなりリレーションができていると判断できます。
一方で、100人採用しているのに4-5人しか決められていないとなると、会社にとっては大きなチャンスロスです。
細かく言うと、100人採用していてもその会社で紹介できるポジションは20枠程度の場合、4-5人決めれていれば20%~25%のシェアを取っていることになります。
「いつでも相手をしてくれる暇な人事は良い案件を持っていない」
私の経験上、いつでもアポイントを取らせてくれて、いつ電話してもゆっくり話せる方は、あまり採用においてニーズがなく、緊急度が低い傾向にあります。
一方で、いつ電話しても会議中や面接中の人事の方は、それだけ採用活動に時間を割いて忙しくしており、なかなか時間は取ってもらえないものの、採用意欲が高いケースが多いです。
アポイントのお願いをすると『忙しくて時間が取れないんです』と言っていても、贔屓のエージェントとは必ず時間を取って打ち合わせをしています。
忙しくて時間が取れないのは、『忙しくてあなたには時間が取れないです』と言う意味であることが多いです。
「そんなクライアントにどうやってファンになってもらうのか?」
あまり相手にされていないクライアントに対して、どのようにして振り向いてもらうのか?これは営業をやっていく上で、とても悩ましい問題です。
人材紹介の営業の場合は、やはり定期的にコンタクトすることから始めることだと思います。そもそも人材紹介の営業マンは初回コンタクト以降、案件が進まないと急にコンタクトがなくなり、人事もそのような対応をするエージェントはあまり相手にしません。
したがって、このコンサルタントは求人依頼後も丁寧に状況報告や提案等を行ってきて、あわよくばうまい事決めてやろうというコンサルタントではないこと認識しもらうことが大事です。
「ただコンタクトするだけではなく、相手のためになる情報を提供する」
新人のコンサルタントがやりがちな営業が、『何か新しい求人はありませんか?』とか『何かお変わりはありませんか?』といった御用聞き営業になってしまうことです。
それでは、忙しい人事の方からしたら、情報を抜き取られるだけで、何も有益な情報を得ることができません。下手すると余計にそのコンサルタントと話をしたくなくなります。
折角コンタクトするわけですから、そのクライアントにマッチしそうな人材情報や競合他社の採用情報など、何かしらお土産を用意して話したほうが、それをフックに新しい情報を得れる場合もあります。
「担当者を変えてみるのも一手」
私の場合は、あまり自分に向いてくれない人や会社を追いかけるのは得意ではありませんので、そのような場合は潔く手放して、別の担当者にあたってもらいます。
逆に、他の担当者が攻略できていない会社を引き継ぎ、これまでとは違う担当者や採用部門長に直接アプローチをかけるなど、これまでとは違うやり方でアプローチする手もあります。
この仕事は、担当者との相性というものがどうしてもありますので、リレーションが弱いクライアントをいつまでも囲わずに手放す判断は、次の新たなクライアントとの出会いの一歩になるかもしれません。