人材紹介業界に対してモヤモヤすること
こんにちは、RtoRの井川です。
弊社は、人材紹介会社に特化したエージェント事業を展開しております。そのため、クライアントはほぼ100%人材紹介会社です。
そのため、クライアントも求職者も基本的には人材紹介経験者や人材紹介を希望する方、広く人材業界に関わる方々です。
そのような環境の中で、様々な人材紹介会社の特徴やPR、経営方針などを見聞きすることが多く、今日はその中で前々からモヤモヤすることについて話したいと思います。
「無理に求人紹介はしません」
最近、大手エージェントのやり方への批判や、人材紹介が一般化してきたことによる反動からか、「弊社では無理に求人提案は行いません!」とか「転職しない選択肢も提供しています!」とか、「ポジショントークは行いません!」など、いかにも求職者に寄り添い、求職者の味方であるということを前面に出しているエージェントや個人が増えているように思います。
それは、現在の人材紹介業界に対する批判から生まれていると思うのですが、私からすると「無理に求人紹介しない」「転職しない選択肢もある」というのは当然ですよね。と感じる訳です。
面談時に、転職の意思決定をしていなければ、それなりに情報提供として求人紹介はするものの、「まずは貴方のやりたいことを明確にしてください。そうしないと転職そのものがうまくいきませんよ」と言いますし、そのような中途半端な人を動かしても労力だけがかかります。
自動車のディーラーに行って、とりあえず車の外見とざっくり値段だけ知りたい人に、「とにかく試乗してみてください!」「とにかく見積だけでも取らせてください!」と言って押し込んできたら私だったら二度とそのディーラーいかないですね。売れない営業マンの典型です。
「ごり押し系のエージェントが増えているのも事実です」
確かに現在の人材紹介業界は新しいエージェントがどんどん増えていますし、中には強引なエージェントも増えているように思います。
一方で、転職する人も増えていますし、働く個人においても知識武装や対応力が求められるのは必然ではないでしょうか?
人材紹介会社に登録して面談に行ったら10件、20件と求人を紹介され、「とにかくこれらの求人に応募してください!」と強めに言われて応募して、その中で内定が出たし、回答期限を区切られたから入社したけど失敗した。みたいな話が多くなっているかもしれません。
確かに、エージェントのレベルも低そうですが、言っちゃ悪いですが、求職者のレベルも低いです。そんな流れで転職を決める人、そこで失敗してしまう人は、どんなエージェントで転職しても失敗します。
自分がどこで働くのか?どこに住むのか?誰と過ごすのか?自分で決めるのが大人です。そのようなことも考えられないようでは、転職なんかしないほうが良いと思います。
自分の人生は自分で決めて、自分で責任を取る。それが転職しても成功する前提条件だと思います。
「エージェント仕事は優秀な人材を紹介することに価値がある」
人材紹介会社にも企業起点と求職者起点のエージェントがあります。
どちら起点のエージェントでも共通しているのが、「優秀な人材を紹介すること」であることは間違いないと思います。
「優秀な人材」の定義は様々ありますが、その会社にとって有益な人材であることは間違いなく、その会社にとってマイナスになる人材を紹介してもエージェントとしての価値は見出せません。
優秀な人材にアプローチするうえで、「無理に求人紹介をしません」とか「ポジショントークしません」といったアプローチは果たして有効なんでしょうか?
人材紹介業界自体がレベルの低い業界ですよと自ら言ってしまっているような気がしてなりません。
「転職は慎重に」とわざわざ広告費をかけて言わなくても、「転職しない選択肢も提供します」と声高らかにいう必要もないような気がします。当たり前のことですから。
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