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【005】"アサイン"は我が身を守る防波堤vs自由を奪う檻
今週は国内出張やお客さんとの会食が連チャンでプライベートも仕事もバッファーがなく大変でした。加えて補習所の仕事や会計士協会の会議もあり、結構バタバタでしたね。やっぱり余裕が大事、と感じる週でした。
そして、そろそろ自分の確定申告もやらねばなぁと思っている今日この頃です。やはり、1-3月は税務をやってなくても決算対応している経理でなくともなかなか忙しい季節だと思います。
"アサイン"は我が身を守る防波堤vs自由を奪う檻
で、今週はこんなツイートを見かけました。
アサインなんて関係なしに対応させたらええねんというマインドを持ってる人が多い。監査法人ってエンゲージメント毎にチームを編成するプロジェクト型組織なのに、そんな働き方を強いるから負荷が見えなくなっている。小手先の効率化施策を考える前にこの歪な組織風土を改革してほしいと切に願う
なるほど、この話題、非常に興味深いです。アサインを自分を守ってくれる防波堤と捉えるのか、それとも自由を奪う檻と捉えるのか、その違いは間考え方の大違いが色濃く反映されていると思います。
(なお、そもそも業務のマネジメントを担う管理職のプロマネ能力が低くてアサイン外の業務を発生させているのは論外です。概ねプロジェクトマネジメントは出来ている前提で以下話を進めます。)
例えば、アサインは我が身を守る防波堤として考える派の思考回路として垣間見えるのはこのようなものがあると思います。
アサインとは基本的に"される側"が守られるためにある。
自分の都合が中心であり、クライアント含む第三者の要求は、自分の都合に劣後する。
アサインされていたら、供給者として、必ずアサインされている業務は最優先すべきであり、アサインとは固定的なものである。
仕事とは常にコントロールできるものであり、アサインする側される側の需給は常に一致する理想的な世界を目指すべきである。
逆にアサインは自由を奪う檻だと考える派閥としては、このような考え方でしょうか。
アサインとは基本的に"する側"が中心である。
クライアント含む第三者の都合が優先であり、自分の都合は劣後する。
アサインをされていなくても、クライアントなどの需要者からの要求があれば、アサインされているか否かに関係なく、需要者にとっての優先度が高い業務が最優先されるべきであり、アサインとは可変的なものである。
仕事とは必ずしてもコントロールできるものではなく、アサインする側される側の需給は常に一致しない不安定な現実世界を前提とすべきである。
というわけで、どちらの考え方も一長一短があって、必ずしもどちらかが良い悪いという世界ではないものの、個人的にはアサインする側の論理を前提とすべきかなと思っています。だって、アサインの前提となる仕事を獲ってこない限り、アサインという概念すら生まれないから。なので、役割の違いに貴賤があるわけではないですが、仕事獲ってくる人の意向を優先させるのが筋論かと思います。※当然ながら、筆者自身のポジショントークでもあります。
とはいえ、ツイートにあった監査業務って基本的にリカーリング業務なので、他の専門的な委受託契約と比べて相対的に契約をそもそも切られづらいという状況もあり、我が身を守る防波堤派が発生しやすい環境ですよね。
他方で、アサイン全無視でなんでも対応していたら、心身が持たないですし、そういう働き方は許容されないと思うので、その辺のバランスは昨今アサインする側もされる側も非常に気を使うところかなぁと思います。
アサインをコントロールするためのベターな選択肢
翻って、自分が若手だった頃のスタンスを思い出してみると、基本的には、「アサインに文句があるのであれば、自分でそのアサイン以外の仕事を社内外から獲ってくる」というのが基本指針になってました。もう十数年以上前の発想なので、今のファームの働き方働かせ方とかに馴染むものではない気もしますし、そもそも力量及び発想として「それが出来るのであれば、そもそも独立してますよ」って感じだと思うので。
結果的に、社内の仕事は結構狙い通りだったものの、自分が取れた社外の仕事ってほぼないので偉そうなことは言えないのですが、それでも自分のアサインを考える主体は自分であるという思想は今も変わらないです。
じゃあ、アサインされる側が主体的にアサインをコントロールする方法ってどんな方法があるんですかというと…
早く昇進すること
自分だけが出来る専門領域を創出すること
アサインされた仕事で、自分自身が直接クライアントと業務の質と量を調整する役割を担うこと
あたりが考えられますが、いずれも短期的にすぐに実行するのは非常に難しいかなと思っています。
上記の次点で出来そうなことといえば、社内における業務量の調整。いわゆるアサイン調整ですね。
プロマネとして、クライアントと握ってきた自分たちの業務量を調整する、或いは、それを考える管理職のサポートをすることぐらいはできるかなと思っています。数多の調整によってアサインが成立しているので、まずはその世界感を知るところから始めてみるのが若手にとっては良いかと。アサイン調整って目に見えないけど、それ故に意識しないと把握できないし、把握していないものをそもそも調整できないので。
という話をつらつらと書いて、改めて自分事としてアサインを捉え直すと、結局は自分の仕事をどう定義するのかという問題に帰結すると考えていまして、自分の仕事を「アサインされたものが全て」として捉えるのか、はたまたは、「アサインされたものを原則としつつ、そこに加減算を加える責任は自分が負っている」と捉えるのか、仕事の主体性に関連する話かなと思っています。
興味がない仕事まで積極的に取りに行く必要はない一方で、自分がやりたい仕事を逃さずやらせてもらえるために、社内の関係者各位への根回しは今も大事にしています。
以上です。ありがとございました。