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「イベント会場」としてRadiotalkは魅力的【三拍子高倉さんインタビュー】

Radiotalkで活躍する音声配信者「ラジオトーカー」を紹介していく連載インタビュー企画。今回は、番組『三拍子高倉の「たかくらじお」』を配信する「三拍子高倉」こと高倉陵さんにフォーカスします。

サンミュージックプロダクション所属のお笑いコンビ・三拍子のボケ担当である高倉さんがRadiotalkでの配信を開始したのは2020年4月のこと。コロナ禍でお笑いの仕事がすべてなくなったところ、「後輩芸人がRadiotalkを楽しんでいる様子をTwitterで知り、すぐにアプリをダウンロードした」といいます。

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「Radiotalkを通じ、一人でも多くの人に『三拍子』という存在を知ってもらいたい」と語る高倉さん。ラジオトーカー同士の積極的なコラボをはじめ、数多くのチャンレンジを行う高倉さんの、エンターテイナーとしての熱量に迫りました。

(取材・文/ねむみえり

芸歴20年目でぶつかった「一人しゃべり」の壁

ーー音声配信を始めようと思ったきっかけは?

高倉:コロナですよね。2020年の最初に、コロナでお笑い芸人は大打撃を受けました。お笑いライブが全部なくなって、もう何にもやることがなくなったときに、何かしゃべっておきたいって思ったんです。

そのタイミングで、Twitterでかなり後輩の若手芸人がRadiotalkをやってるっていうのを知って、「なんだこれは」っていう。それで、ちょっとやってみようかなってすぐにアプリをダウンロードして、一発録音してみました。

ーー第0回は何回も録り直しをしたそうですね。

高倉:そもそも僕、ラジオをあまり聞いてこなかったんですよ。ありがたいことに、「決戦!お笑い有楽城」というのを勝ち抜いて『三拍子のオールナイトニッポンR』をやらせてもらったことがあるんですけど、ラジオ好きの相方ほどのテンションではなくて。

それで、なんとなくしゃべることがないから、ラジオをやってみようかなという思いでRadiotalkを始めたら、一人だとこんなにもしゃべれないのかと思って。ラジオを甘く見てるわけではないんですけど、ラジオについてしっかりと考えたことなかった人が初めてラジオをやると、こんなにもできないのかって。

何回も録り直したんですけど、でも一応その時の自分っていうのを残しておこうというので、第0回を戒めとしてずっと残してます。

ーー収録トークの上限である12分も長いと感じましたか?

高倉:そうですね。何も決めてない状態でいきなり録ると、何にもしゃべれないんだと痛感しました。話と話の間の「ということで」とかもできなくて、とにかくたじたじで、それがすっごいショックでした。

芸歴20年で、相方と漫才やるとか、ステージの上でお客さん前にしてしゃべるとかだったらできるんだけど、誰もいない空間で一人でしゃべるっていうのは、こんなにできないんだって。ラジオに対して自分は赤ちゃんというか、生まれたばっかりで。これをなんとかしたいってめちゃくちゃ思いました。

ーー毎日配信されていた頃は、「なんとかしたい」という気持ちだったのですね。

高倉:そうです。悔しくて、なんでできないんだ俺は、っていう。まだライブ配信とかない時期だったんで、とにかく毎日収録トークを配信していました。最初に何をしゃべるかとか、ジングルは自分の曲を入れてとか、しっかりとプログラム組んで12分の中で番組作りをしていきましたね。

ーーラジオを開始された頃は、1回目の緊急事態宣言が発出された時期でしたね。外にも出られない状態でしたが、トークテーマはどのように探していましたか?

高倉:コンビニ行ってとか、家でどんなことをしたとか、テレビからの派生の話とか、あとはほとんどが過去のエピソードですね。しゃべることで記録としても残るじゃないですか。なので、今まで記録していなかった自分のエピソードを記録するっていう気持ちでもやってたところはあります。

ファンと“季節”に感動し合えた、朝6時のライブ配信

ーー最近は朝6時半からのライブ配信をメインにされてますね。

高倉:お笑い芸人って、なんとなくちょっとだらしないイメージがあるじゃないですか。特に昭和とか平成のお笑い芸人は。酒飲んで、昼とか夕方ぐらいから起きてみたいな。そういうのをもうやめて、ちゃんとしようと思ったんです。健康に生きよう、と。

それもあって、ファンの人も一緒に健康になれればいいかなっていうので、じゃあみんなで早起きして、ゆとりのある生活をしようということで始めました。僕的にも早く起きることによって、朝活ができてるんです。今までは昼から漫才を作ってたんですけど、頭が働くので午前中からネタを書くようになったりとか。かなりいい傾向です。

ーー6時半からライブ配信をされてるので、朝に強いんだろうなと。

高倉:朝のライブ配信を始めるまでは、8時にNHKの朝ドラを必ず見るので、そこで目を覚まして、そこからダラダラして、結局お昼とかに喫茶店行ってようやくネタ作りという流れだったんです。でも、6時半からのライブ配信を始めたことで、朝ドラの前に家のこと終わらせて、朝ドラ見終わったら家を出て、9時には喫茶店にいられる。

ーー早い……!

高倉:それがもう、やってよかったなと。1日が長いから、夜12時にはもうコトっと疲れて寝てるっていう。

ーー全国のリスナーが朝6時半に起きて、高倉さんのライブ配信を聴いているという。

高倉:「天気はどう?」って聞くと、「北海道は◯度です」とか「佐賀は◯度です」ってコメントで返ってくるのがすごい楽しいなと思って。毎朝6時半に起きてたら、季節によってだんだん暗くなってきたり、明るくなってきたり、そんな中で外行って公園行って配信したりもするんで、どんな花が咲いてたとか、木が枯れてきたとか、そういう季節を感じられる大人になってきたんです。

ファンの方とも、忙しい中でもそういうところに目を向けたら気持ちがいいというところで一緒に感動しあえればいいなって。全くお笑い芸人的発言ではないですけど(笑)。これが令和のお笑い芸人。早く起きて鳥の声を聞いて、季節を感じる。芸歴20年、新世代です。

ーー収録トークからライブ配信へと、注力しているところは変わりましたが、1年以上ずっと続けられているモチベーションは?

高倉:単純にしゃべりたいっていうのはあるんです。漫才師としてしゃべる場があって、それを聴きに来てくれるファンがいるっていうありがたい環境がRadiotalkにあるので、これを使わない手はないんです。

あとは、何してたかとかを多少面白おかしくみんなに発表できる場でもあるので。子どもじゃないけど、「昨日ね、学校でこんなことあって〜」みたいな感覚と似ているんです。そういう、しゃべりたいという気持ちが叶うのと、お笑い芸人としての発表の場所の一つにできるというのがモチベーションになってます。

ーーモチベーションが下がった時期はありましたか?

高倉:収録トークを毎日配信していたのが途絶えた時です。これはちょっともういいかなっていうのは正直ありましたね。気持ちが全体的に凹んでというか、言ってしまえば、緊急事態宣言終わんねえじゃん、コロナいつまで続くんだよっていう。

最初は世の中全体が大変で、芸人始めてからずっと動き続けてたのが、一回止まったことで考えたこともあって、Radiotalkというこの新しい発表の場所ができてめちゃくちゃ楽しくて。うわーってやってるうちに、このままコロナ終わるだろうなって思ってたけど、全然終わんないし。当時は直接お金にもなるわけではなかったので、そこで一回やめようかなと思ったこともありました。

でもその後、ライブ配信機能ができて。直接収益にも繋がるようになる、というところで少しモチベーションがあがりました。

トーカー同士のコラボでつながりと認知を獲得

ーーRadiotalkが開催した第1回目の「トークの日」でデイリー1位を獲得して、ギフト作成権をゲットされていましたね。

高倉:前々から準備をしていた人には申し訳ないんですけど、何の気なしにライブ配信を始めたら、そこでその日がトークの日だったんです。「それならこういうギフト作りたいし、1位取りたいな、みんな頼むわ〜!」みたいな感じでライブ配信をしたら、ありがたいことにファンの皆様が頑張ってくれて。

あとから聞いたら、1位を争っていたさがみ若竹センターは、「なんだよあの人」と思っていたそうなんですよね。

向こうは必死に何時間もライブ配信やって、「行くぜみんなで!」って熱い気持ちでやってたのに、横からプロのお笑い芸人が入ってきてやり始めて、一気に抜かれて。そりゃあ、彼らにしたら面白くないですよね。

申し訳ないことをしたなと思って、そのあとのさがみ若竹センターのラジオを聴きに行ったら、「どんなギフトになるかなって思って蓋開けたら『変態』のギフトで、ふざけんじゃねぇよ」みたいな(笑)。

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そんな配信を聞いて、この熱い気持ちに対して申し訳なかったなって思ったのと同時に、僕は僕でお笑い芸人として、お笑いなりに熱い気持ちで配信したし、そのギフトっていうのは芸人としての本気で面白ギフトを作ったんだよっていうのを伝えたかったんですよね。

そしたら、お喋りピエロさんが、さがみ若竹センターと繋がってるから、場を取り持ってくれて誤解が解けて、そこからはすごく仲良くなってます。

ーーさがみ若竹センターさんやお喋りピエロさんを始め、同業者ではないトーカーさんとも様々なリアルイベントで交流されていますね。

高倉:最初の芸人以外のコラボ相手は、さがみ若竹センターでした。お喋りピエロさんが、さがみ若竹センターのライブ配信かなにかのときに、トークの日のことで「高倉さんそんなに悪い人じゃない」とか「熱い気持ちでやってたみたいよ」とか書き込んでくれたみたいなんです。

そしたら、さがみ若竹センターのTKさんから「すいませんでした!高倉さんはそういう気持ちだったんですね!今度お会いできたらコラボしたいです」っていうDMが来て。「こうやって連絡くれるんだ、めっちゃ熱いしすごいな、じゃあコラボしたいな」っていうところから始まりました。

僕の気持ちとしては、Radiotalkで自分が初めてラジオをやったっていうのがあるから、僕より先に始めていたさがみ若竹センターや他のトーカーさんをリスペクトしてるんです。漫才師で20年やってるとか、芸人と一般との壁とかじゃなくて、Radiotalkの中では立場は一緒だし、だったらここで仲良くさせてもらって、横の広がりをめちゃくちゃ作ったらいいんじゃないかなって。

芸人と一緒に収録トークを録ったり、ライブ配信をやってても、お笑い好きしか集まってこない。だけど、Radiotalkにいる色んなジャンルのトーカーさんと横で繋がっていくことによって、僕のことを知ってくれる人がどんどん増えていくんじゃないかという思いもあって。どんどんそこからコラボさせてもらってます。

ーーRadiotalkで頑張っている様々なトーカーさんとコラボされているのが印象的です。

高倉:それもお喋りピエロさんがつなげてくれたところがあります。「バーガーピエロ」っていうRadiotalkの本社でやるイベントに呼んでもらったことで、僕としても参加したいし、「高倉を呼んだ」というので他のトーカーさんたちが集まって、「プロのお笑い芸人とコラボできるぞ」っていう、そういうノリもあったりとか(笑)。僕は僕で、有名なトーカーさんとしゃべれるから、お互いWin-Winな感じでやってます。

大前提として、全ての行動は三拍子の漫才を見てもらいたいっていうところに基づいているんです。2026年に武道館で三拍子単独ライブをやるっていうでっかい目標があって、そこから逆算で全部動いてるんです。Radiotalkを続けている理由も、2026年の武道館に来てくれるような人たちを増やしたいからなんです。

色んなトーカーさんとしゃべることで、僕の魅力を伝えて、「じゃあ三拍子の漫才見てみようかな」って思う人が増えて、それを見て面白いなって武道館に行くっていう流れを作りたい。そこの最初の一歩として、色んなトーカーさんとのコラボをやってます。

三拍子高倉さんとラジオトーカーのコラボ 11選

さがみ若竹センターさんとコラボ

泥沼アワーさんとコラボ

すてきな3人組さんとコラボ

志賀十五さんとコラボ

今そっちさんとコラボ

あんどろでお253さんとコラボ

マツリさんとコラボ

空飛ぶ、わんたんさんとコラボ

〆¨芥川..AKUTAGAWAさんとコラボ

群ちゃんとコラボ(※352歩〜368歩まで)

shunさんとコラボ

「イベント会場」としてRadiotalkは魅力的

ーーRadiotalk内で三拍子の「単独ライブ」を開催していましたね。

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高倉:はい。僕の中で、Radiotalkはパフォーマンスを披露する1つの場所として確立できたなって思ったんです。コロナ禍でお笑いのライブハウスも使えなかったときは、Zoomでも単独ライブをしたんですが、Radiotalkも漫才と相性いいし使えるじゃん、と思って。ライブ配信ならリアルタイムのリアクションもコメントで流れてくるし、よければギフトも飛んでくるから、これはやってみようっていうチャレンジでした。

投げ銭で稼げたっていう事例を作れれば、若手芸人たちに対して、Radiotalk内で単独やるっていうのが1つの選択として示せるんじゃないか、と思います。

単独ライブのチケットは通常2000円以上するけれど、100人の人が一人1000円払ってくれるほうが、収益としては大きい。会場代もかからないので、出費がないというのは大きいですね。若手芸人の単独ライブの形として、今後使えるんじゃないかっていうのを示せたのではないかなと思います。

ーー高倉さん主催のリアルイベントでは、Radiotalkのトーカーさんをゲストに招いていましたね。

高倉:「脳RYO祭2021」という音楽イベントに、さがみ若竹センターを呼びました。彼らはリアルでラップを披露したことないって言ってたから、「じゃあリアルイベントを俺が作るから、それ出て!」っていうところで誘ったら、めっちゃかっこよくて。「すっげぇな!!」って思いましたね。

クリスマスイベントもやったんですが、もっとRadiotalkの人を増やしてもいいかなっていうので、以前は僕と後輩がやってたMCをお喋りピエロさんshun☀くんにやってもらいました。

あとはRadiotalk枠のミュージシャンとして、さがみ若竹センターがすごかったから、誰かいないかなと思って、鈴ちゃんに声をかけたら出てくれて。

あとは漫才枠として、おマツリたいがーと、プロの漫才師のきつね日和にも出演してもらいました。

リアルでも楽しいし、Radiotalkでもおなじみの人たちがパフォーマンスをやっているのをライブ配信するという試みでしたね。

Radiotalkは、もっとパフォーマンスできるステージにできるんじゃないかと思っていて。ラジオができるってだけで素晴らしいコンテンツだけど、もっとライブ配信とかギフトとかで遊べる部分がすごくあるから、イベントにも向いていると思うんですよね。正直、Radiotalkじゃなかったら、ここまでやってなかったかもしれないと本気で思います。

ーー高倉さんにとって、Radiotalkはどんな存在ですか?

高倉:「畑」ですね種を植え続けて沢山の収穫を得られる場所です。自分の畑でリスナーと作ったものを、リスナーと一緒に収穫していきたい。パフォーマンスの場所でもあり、交流の場所です。いつか大きくて美味しい実がなるように耕し続けていきたいです。

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