日本語話者は実は英語脳を持っている
「英語と日本語は語順が逆」
英語を勉強している時よく聞く言葉だ。
例外はあるが基本的にはそうである。
私はまだ英語が嫌いだった時、というか英語に興味を持ち始めた時、
「英語話者は瞬時に文を組み立ててから逆向きに変換してるのかな、すごいなあ」
などと思っていた。
まあネイティブは元からそういう思考回路なんだろうとしても、日本語母語話者で英語話せる人はそれができるんだと思っていた。
でもすごいのは実は日本語話者だった
これから話すのはそんな内容である。
例えばこんなシチュエーションを想像してほしい。
パートナーが「夜8時には帰るよ」とLINEしてきた
パートナーは車通勤
10時になってようやく帰ってきた
浮気うんぬんは置いておいて、この状況下での「おかえり」に次ぐ一言を、一度真剣に考えてみてほしい。
例えばこの回答をテキストで募集すると、回答例としてはこんなものが考えられるだろう。
「遅かったから心配したよ~」
至極普通の回答だ。違和感はないだろう。
ではこれを英語にすると?
" I was worried you because you are late."
ネイティブはもっとカジュアルな言い方するとかはあるだろうけど、とりあえず直訳すると大体こんな感じ。
この時、" I was worried " が「心配した」なので、
「私は心配した あなたを なぜなら あなたが遅かったから」
という順序になっており、確かに語順は逆向きになっているのが分かる。
しかし
もう一度言う。一度真剣に、先ほどのシチュエーションを考えてみてほしい
そして「遅かったから心配した」を、テキストを読むのではなく心の底から咄嗟に声に出してみてほしい。(いや出さなくてもいいけど)
すると
「心配したよ~、帰り遅かったからさぁ」
となるのではないだろうか?
これはまさしく、日本人は「心配した」という意識は持ちつつ、理由を前に着けて気持ちを後から伝えていることの証拠ではないだろうか。咄嗟に出る言葉ほど、語順など無視して心の底にある感情をむき出しにできるのだと思う。
つまりそう。
語順を入れ替えているのは日本人自身だったのである。
同様に、何か物事を伝えようとする瞬間、よく考えてみると伝えたい内容は既に頭の中にある場合が多いかと思う。
英語を話す際、このように既に頭の中にある「伝えたい内容」を先に取り出すことを意識すると、理由付けを後から追加していくだけなので、英語は実はとてもシンプルな言語なのである。
かくいう私は英語が話せないのだが。