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持続性抑うつ病になりました
心の雨が降り続くとき - 持続性抑うつ病(気分変調症)について
前回の投稿からかなり時間が空いてしまいました。
実は、11月の学会発表後から気分の上下が激しくなり、落ち込みやすくもなっていたこともあり、心療内科を受診したところ「持続性抑うつ病」の診断を受けました。
現在も治療中なのですが、少しずつ回復してきたように思います。そこで、「持続性抑うつ病」について自分なりにまとめてみようと思い立ち、言語聴覚士、摂食嚥下障害等とは全く関係のない分野ですが、今回の記事のテーマにしたいと思います。
なんだか気分が晴れないなぁ…」「ずっと憂鬱な気分が続いている…」そんな風に感じること、誰にでもありますよね。でも、もしそれが一時的なものではなく、長い間続いているとしたら…?それは「持続性抑うつ病」という心の状態かもしれません。
持続性抑うつ病ってどんなもの?
持続性抑うつ病は、以前は「気分変調症」と呼ばれていたもので、軽いうつ状態が慢性的に、つまり2年以上も続く状態をいいます。「うつ病」という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、持続性抑うつ病は、うつ病ほど症状が重くはないものの、憂うつな気分がほとんど毎日、一日中続くので、毎日の生活がなんだかうまくいかなくなってしまうことがあるんです。
持続性抑うつ病のサイン
長い間続く落ち込み:2年以上も、憂うつな気分や、今まで楽しめていたことに興味がなくなってしまう状態が続きます。
気分の変化が少ない:一日の中で、すごく気分が落ち込んだり、少し良くなったりという変化があまりなく、一日を通してどんよりとした気分が続きます。
周りの人に理解されにくい:「性格の問題」「甘え」なんて思われてしまうこともあります。
いつから始まったのかわからない:いつからこんな状態になったのか、はっきりと思い出せないことが多いです。
こんな気持ちになるかもしれません
具体的には、こんな気持ちになるかもしれません。
なんだか悲しい、絶望的な気持ちになる
今まで楽しかったことが、全然楽しくなくなる
食欲がなくなったり、逆に食べ過ぎてしまったりする
なかなか寝付けなかったり、逆に寝すぎてしまったりする
体がだるくて、何もする気が起きない
集中力が続かない、何を決めるのも億劫になる
自分に自信が持てなくなる
将来のことを考えると、暗い気持ちになる
これらの状態が2年以上続いている場合は、持続性抑うつ病の可能性があります。
うつ病とはどう違うの?
持続性抑うつ病はうつ病とよく間違われますが、少し違うところがあります。
落ち込みの程度:持続性抑うつ病の方が、比較的穏やかな落ち込みが続きます。
続く期間:持続性抑うつ病は、長い間じわじわと症状が続きます。
きっかけ:うつ病は、何かきっかけがあって急に落ち込むことが多いです。
どうしてそうなるの?
原因はまだはっきりとはわかっていませんが、生まれつきの体質や、育ってきた環境、脳の中の物質のバランスなどが関係していると考えられています。
どうすればいいの?
治療は、お薬を使う方法と、カウンセリングなどの心のケアが中心になります。
お薬:抗うつ薬などを使って、脳の中のバランスを整えます。
心のケア:カウンセリングなどで、考え方や行動のパターンを見直したり、困っていることを解決する方法を身につけたりします。
周りの人にできること
持続性抑うつ病は、周りの人に理解してもらいにくい病気です。「怠けている」「甘えている」と思われてしまうと、さらに辛くなってしまうこともあります。周りの人は、この病気のことを理解して、温かく見守ってあげることが大切です。
最後に
もしあなたが、またはあなたの周りの大切な人が、長い間憂うつな気持ちを抱えているようであれば、一人で悩まずに、専門の機関に相談してみてください。早めに相談することで、きっと気持ちが楽になるはずです。
このお話が、持続性抑うつ病について少しでも理解する助けになれば嬉しいです。
参考資料
このお話は、あくまで情報提供のためのもので、お医者さんのアドバイスではありません。心配なことがあれば、必ずお医者さんに相談してくださいね。