(読書メモ)ナラティブ経済学
「ナラティブ経済学」先輩が紹介されていたので面白そうと思って即買いした本でしたが、なかなか難解だったので関連図書も調べつつ、2−3週間かけてなんとか読み終わりました。
「ナラティブ」という言葉の意味は「物語」と訳されていますが、ニュアンスとしては「逸話」とか「語り草」、もっと言えば「クチコミされやすい、感染力の強いエピソード(それが本当かどうかは別として)」のような意味で使われています。世界恐慌の頃からインフルエンサー等によるクチコミの拡散が人々の行動に大きな影響を与えてきたはずなのに、経済学ではあまり取り扱って来なかったですよねという話を様々な例を挙げて紹介しています。SNS等のヴァイラルマーケティング(?)のような仕事をされてる方にはとても身近な話かもしれません。
原題は「Narrative Economics: How Stories Go Viral and Drive Major Economic Events(ナラティブ経済学〜物語はどうバズって経済に影響するのか〜)」で、サブタイトルそのまんまの内容でした。原題、わかりやすいです。
ジャンルとしては行動経済学に近いようで、「ファスト&スロー」、「予想どおりに不合理」といった個人の不合理な行動をもう少しマクロで観察した話のようでもありました。
世の中に広まったものを何でもかんでも「ナラティブ」で説明しようとしている感があったり、結論「何がバズるかは予測できない」みたいなことも書かれていて、(素人の自分には)内容が掴みにくかったですが、ぼんやりイメージしていたバイラルの話を経済学では「ナラティブ」という言葉を使って説明することもあるんだな(かつそれが新しいことなんだな)と知れたのは良い機会でした。