山に行けない時に読みたい山の本
コロナで山に行きたくても行けていない方も多いと思います。自分も夏の年1回の登山(今年は称名滝から奥大日岳に登りたいと思っていました)も半ば諦めていますが、そんな山に行けない時に読み返す山の本をいくつかピックアップします。今回、新田次郎さんを始めとする山岳小説は(時間がかかることもあり)省いています。新田次郎さんの詳細はこちら。
小説も良いですが、パラパラと気軽に読める本が良いですね。
1.ひとり歩きの登山技術
→自分がソロ登山をするようになってから登山計画のたびに読み返す本です。登山計画、持ち物、料理など一通りの「ひとり歩き」の面白さがコンパクトに詰まっていて胸躍る本です。一番おすすめ。
2.山登りABC ちょっとロープワーク
→これは仕事で静岡北部山域に行くことになった時、一箇所どうしてもロープで降りないといけない場所があったので事前にスリングと一緒に購入した本です。正直、テント泊でもしない限りロープワークをしなくても登山は楽しめるのですが、ロープワークを知っていると日常生活で役立つ場面が多くて生活スキルが上がった気がして大変楽しいです。蝶々結びを始め、ひもの結び方って知っているようで全然知らなかったことを思い知らされます。この本を読んで以来、自分はmont-bellで1mあたり90円くらいのロープを3mくらい買ってはキーホルダーにしたり、バッグのファスナーの持ち手を伸ばしたり、あれこれ結んでみたりしています。これまでの登山の道中にロープワークを使ったことはほぼありませんが、今後テント泊をしたりビバーク中に体を木に固定したり等、使える場面はいくつもありそうに思います。あれこれ想定して紐を結ぶのは楽しいです。
3.ドキュメント 道迷い遭難
別の記事でも紹介した本ですが、改めて。ソロ登山をされる方は、この羽根田さんのドキュメント遭難シリーズは一通り読んで頂くと非常に参考になると思います。殆どのケースで遭難後、自力下山を諦めて救助を待って数日後~2週間後くらいで救助されるのですが、迷った経緯なども詳しく掲載されています。個人的には「迷ったらまず引き返せ」「無理に自力下山しようとせずに体力を温存せよ」といった教訓も胸に刻んでいる一方で、「遭難救助されても社会復帰できているものなんだな」という当たり前のことがわかりなんだか気持ちが楽になったというのが感想でした。何冊も出ているシリーズの大半がKindle Unlimitedで読めることもあり、大変おすすめです。
4.定本 黒部の山賊
言わずとしれた名著です。黒部源流エリアを切り拓いた故・伊藤正一さんが戦後に山小屋を買い取ってから登山道を整備していくまでの経験談を語ったエッセイです。夜中に必ず裏口をノックする熊の幽霊の話など、本当かウソかわからないような面白いエピソードの数々に胸躍ると思います。2019年夏にこの舞台となった山域を訪れて、かつ雲ノ平山荘では伊藤正一さんの奥様・ご子息とお話できて大変感激したのでした。
5.(漫画)岳
最後の一冊だけ漫画です。漫画「孤高の人」とも迷ったのですが、山の楽しさと厳しさを伝えてくれるこの漫画は良かったなぁと。冬山の話が多かったですが、こういう本を読んで「面白そう」と思ったら、夏山にまず出かけてみることをおすすめします。技術やギアに頭でっかちになるよりは、実際に山に入って足りない物・知識を振り返りながら無理せず自分なりの経験値を積んでいくことが登山スキルを上げていくスムーズな手順かなと思います。
最近は色々キャンプ漫画みたいなものも流行っていますね。全ては読めていませんが、山と食欲と私という漫画も人気ですし面白いですね。
これらの本や漫画を読んで、山のイメージを膨らませたら具体的に山に行ってみたいと思うはずなので、そしたら「Google Earth」で山頂からの景色を模擬的に検索して見てみたり、「ヤマレコ」で登山口や山行ルートを確認したり、mont-bellさんや他の通販のHPで自分の足りないギアを確認してみたり。山のことを調べていたらあっというまに時間がなくなってしまいますが、楽しい時間だなとつくづく思います。宜しければ山行にしていただければと思います。(以上)