GTP Global Gathering 2024 @イスタンブール 参加記録(Day 4)
イスタンブールと東京の6時間の時差ボケが解消した頃には、朝から夕までびっしり詰まった大会プログラムと慣れない英語環境による疲れが出てきた日本チーム。「まだ半分あるのか…」とこっそりつぶやくDay 4です。
入れ替わりで60人の参加者全員と小テーブルでディスカッションし、その60人が一度は全体発表をするアルゴリズムに驚いた前回記事はこちら。
この日は昼食をはさんで午前と午後に、Faithful and Finance(信仰と金銭管理)の研修ビデオを見て、章ごとの質問にテーブルごとに答えて全体発表するセッションが行われた。この教材は初めてStewardship(善良な管理者)という概念を聞いた人向けに、個人ファイナンスの基礎を聖書の視点から学ぶものだ。GTP代表で新約聖書学者のGaryが12年前に作成し、今ではアメリカの神学校でも取り入れられている。
日本チーム内での正直な感想を述べると、この教材は世俗的な価値観と聖書の価値観を二元論的に単純化している傾向があった。テキストと質問の内容は問いや深まりが足りずに模範解答に終わってしまいがちなものだった。もっとも、この日は1章を30分で終わらせたせいで消化不良だったこともある。初心者向け教材を取り上げたのは、世界各地から参加しているコース・モデレーター(研修担当者)の実践練習が目的でもあったようだ。
日本チームとして参加したお茶の水クリスチャン・センターの山崎さんは、日本の宣教団体の資金計画やクリスチャン・ワーカーの待遇や老後の問題など、経済の問題に正面から取り組んできた。献金も働き手も圧倒的に不足している日本のキリスト教界から、これらの問題に焦点を当てた神学的な議論を深めたい。その発信を行う団体として日本のMA-netが存在することを、山崎さんは今回の大会に参加するミッションの一つとして受け止めていた。
後日アブダビで(なぜアブダビなのかはお楽しみに…)日本チームの振り返りを行った。その時に、GTPがこれまで活動してきた地域がそもそもキリスト教的世界観をバックグラウンドにした社会であるため、その中で「世俗的」に生きる人と「聖書的」に生きる人という二元論になっているのかもしれない、という気づきがあった。日本社会の超マイノリティーである日本人クリスチャンとは前提が違う。GTPがキリスト教文化圏を超えて展開したいのであれば、越えなければならない壁がここにあるかもしれない。
今日はここまで。次回は「ボスフォラス海峡のドラマ」と名付けて田口トモロヲのナレーションで語ってほしいDay 5です。東西が交わる地で海風に吹かれながら考えました。お楽しみに。
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