図書館と電気代
高校生の頃、地元の図書館で勉強をしようとすると、だいたい小学校中学校の同級生がいたりするものなので、なんだか気が散るその場所を避けるようになった。
仕方なく少し遠くの図書館まで通うことにしたが、行き帰りの電車の中でも勉強できるし、図書館とその最寄り駅の間を歩いている時は何も見ずに頭の中で復習、僕の学校の成績が分かりやすく伸び始めたのもこの頃からだ。
場所を移動して勉強することは一見手間がかかるように見えるが、細かく環境を変えたり、軽く身体を動かしながらの方がちゃんと頭の中に知識が定着することを知った。
しかも図書館の周辺は閑静な高級住宅街、夕方5時に閉館し駅まで歩く道は自然豊かで夏はセミの音、それ以外の季節は木々が揺れる音が一番大きい。
やる気スイッチは常にONを維持できる環境だ。
いや、最初からここで生まれ育ちたかったものだ。
僕の中学なんて今で言えば東京リベンジャーズみたいな所だった。(昔で言えばビーバップ)
自宅最寄り駅前で恰幅の良い婆さん同士が殴り合いのケンカをしている所も見たことがある。
地元は集中して勉強できる場所ではない。
それでも、自発的に工夫して勉強ができる場所を見つけた自分は偉いなあと自己肯定感も偏差値も向上した。
やや時は経ち、僕が入った大学は「僻地」みたいな所にあったせいか、18時くらいまでには下校しろと促されていた。
厳選された教授には遠方から通われている方も多く、質の良い授業を与えてくれる代わりにさっさと帰ってしまう。
それくらいの早さで帰らないと、終電が間に合わないのだ。(電、と言うか新幹線通いの方もいた)
僕にとってはこれが大学のノーマルだと思っていたが、夜遅くまで図書館が開館しているのもそれはそれでうらやましい。
図書館にしか勉強できる場所がなかった学生には可哀想なニュースだ。
この寒い時期、屋外で勉強するわけにもいかない。
時間内に必要な資料だけピックアップして、新しい勉強が捗る環境を見つけてほしいと願ってやまない。