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メディア評 関電の件
新潮、文春、ネットメディアでは、例の関西電力の金品授受の問題について、キーマンの高浜町元助役と部落解放同盟との関わりを指摘する記事などがあふれている。いわゆる原子力ムラ云々というよりは、同和利権が問題の背景にあるようだ。今回の問題、キーマンが亡くなって明るみに出たようだが、大なり小なり公共事業が行われる際に、全国各地のこうしたことは茶飯事だったのかもしれない。
小生は90年代後半に、埼玉で建設業界の取材をしていたことがある。埼玉では有名なゼネコンMがあり、公共事業の受注額ではトップクラスだった。Mはいわゆる同和対策地域の環境改善などから、力を付けていったゼネコンだった。いまは商業都市になった場所も、そうしたエリアでインフラ整備を進めるなかで、改善していったとのことを、Mが編纂した社史で見た記憶がある。正月になると、Mによる鏡開きがホテルで盛大に開かれ、解放歌の斉唱もあった。埼玉の自治体だけでなく、近隣の県からも花輪や祝電が届くなど、絶大な力を見せつけられた次第である。また、野党の有力者による講演もあった。いまは政治とMの距離は分からないが、Mの本社がある街は現野党の有力政治家の選挙区だ。
野党は今度の臨時国会で関電問題を、追及のネタにするだろうが、いわゆる同和利権の問題にまで切り込めるか、正直疑問だ。週刊朝日は、福井選出で大臣時代も問題だらけの稲田、高木と元助役との関係を指摘する記事を載せていて、野党もここから切り崩しにかかるだろうが、モリカケ以上に腰砕けに終わりそうな気がしている。