メディア評 ガーシーch
いま、ユーチューブのみならず、メディアで猛威を振るうのがこのガーシーch。2月に登録してから2カ月余りで登録者数は112万人に達している。もともとはアパレルや飲食店の経営を行っていた東谷義和氏=ガーシーが、ユーチューバーヒカル氏から詐欺行為を告発されたことをきっかけに、これまでの社会的信用を失ったとヒカル氏への怒りをあらわにする一方、仕事で知り合い手厚くアテンドをしてきた芸能人が、「手のひら返し」ともいえる態度を取られたことに激怒し、暴露系YouTuberとして活動を開始。数多くの有名人が俎上に載せている。
基本は、ガーシーが接してきた有名人の思い出話、裏話が中心でネタ尽きたら終わりという見方もあったが、生配信で小林麻耶夫妻に電話をかけて、市川海老蔵の本性を引き出したり、三浦翔平の名前を悪用したと指摘したデザイナーのブランド閉鎖、朝ドラに語りを務めるも詐欺など数々のことを暴露された城田優の件がN党とはいえ国会で名前が出るなど、段々とその存在が無視できなくなりつつある。
これまでは、この手の話は週刊誌当たりに垂れ込んで、取材の結果、記事化されるというのが1つの流れとしてあったが、ユーチューブでアカウントさえ作れば個人で容易に発信できてしまうのがいまの時代。もちろん、問題があればアカウントを閉鎖されてしまうリスクはあるが、TwitterなどSNSでシェアされれば、情報の拡散の速さは今までのメディアの比ではない。文春や芸能リポーター辺りが取材の結果、出して来たものよりも情報の鮮度という視点で見れば、これほど見る側に伝わるのが速いコンテンツはない。もちろん、情報の信頼性といった問題も忘れてはならないが、これに関しては見る側の評価、あるいは相手側の反応など、闊達なやり取りがネットの世界で行われることになるだろう。
また、このチャンネルがここまで注目されている背景の1つには、最近の芸能界のさまざまなハラスメント騒動が出ていることも挙げられる。ガーシーも最近、文春でインタビューに応じた水原希子氏に称賛のコメントを送り、新田真剣佑や綾野剛などのさまざまな事象を暴露している。当分はまだまだいろいろな情報が出てきそうだ。
https://subestamp.com/information/information-18886983/
ついには、ものまねのネタにもされたり、LINEスタンプ(上記URL)も出て、すっかり社会現象になっていて、今後もこのチャンネルからしばらくは目が離せない様相だ。