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搾取婚の子
芸能界での性加害が話題となっているタイミングで、芸能人の年の差婚が発表された。
子どもの頃は自分を子どもだと思わず、全て分かっていて自分で選択していると思っている。しかし大人になって、騙されていたり流されていたと感じることは多い。若者も似たようなものだ。成人で急に大人になるわけではなく、それぞれの早さで段々と成長し、気付かなかったことが見えてくるようになる。
それこそ性加害にあった被害者が、何年何十年と経ってやっと自分が被害者ということを受け入れ行動出来るのと似ている。
芸能人でなくともほとんどの大人は「女衒」「上納」という言葉に、「あれか」とピンとくる経験がある。
既婚未婚に関わらず「あのチヤホヤは搾取」「今思えばグルーミング」という気付きがあるからこそ、おめでたいはずのニュースに後ろ暗いものを感じた人は多いようだ。
「女衒」の「上納」が成功した果てに得られるものがある裏付けにみえてしまい、被害に歯止めが掛かりにくくなりそうでもある。
とはいえ芸能人はあくまで特別という前提もあるし、一般人であれば影響力はそれほど大きくないので2人の問題と言える。
2人ならだ。
問題は子どもが出来た時なのだと、年の差婚の子どもである筆者は思う。
今は子どもを望む女性は、若い男性を選べるなら選ぶだろう。
生殖能力など生物学的な要素はもちろん、父親の仕事を果たすのにも若さは重要事項だ。体力や思考の柔軟さからくる、コミュニティへの溶け込みやすさなども若い方が有利である。年功序列も終身雇用も宛にならない現代では、経済的にも将来性のある若い男性の方が安心感は強い。
両親は典型的な「遊び尽くした男性が入社して数年の女性と結婚」というバブル世代の結婚である。
当時は、自分で情報を集めることも難しかった。身近で話聞くことが全てで、人生の岐路さえ押し切られたり流されるまま進んでしまう。
それを「考えれば分かるはず」「自分で選んだんだろう」というのは、例え今本人がそういっていても他人が言うべきではない。
先輩後輩上司部下など上下関係の延長で結婚すると、家庭で弱者になる可能性が高くなる。
ただでさえ女性は結婚や出産で、身体的にも社会的にも弱者になりやすい。そこに精神的にも弱者になるリスクは、ちゃんと知っておくべきである。
純粋な恋愛結婚だとしても、いわゆるトロフィーワイフを手にした男性は、成功体験により気が大きくなる。仕事でも独立など無謀なチャレンジをしやすい。しかしそれで成功するのは極々一部、いやほとんどいないといっていいだろう。調子にのった失敗のシワ寄せが、下に向かうのはよくあることだ。
バブル世代で着実に成功した者の多くは、オフィスのアイドルを射止めた恋愛強者ではない。安定思考な妻の尻に敷かれて、年功序列のままキャリアを積み上げた者だ。
もちろんどんな夫婦にも困難は訪れるだろう。
しかし同世代や年下の相手なら、本音をぶちまけ話し合い、対等にぶつかり合える可能性が高い。
目上の相手では難しいのが問題なのだ。
吐き出せないストレスは女性が1人で抱え込むか、より弱い立場の子どもへ向かう。
すぐに虐待や毒親となるのも大問題だ。しかし表面的に問題なくとも、年を取ってから夫源病などで現れる場合もある。
この事を思ったのは漫画『欲望屋アンダーグラウンド』で、足の悪い老人が海外妻に産ませた子どもが出てきたからだ。
確かそんなドキュメンタリーがあったからなのだろうが、最も極端な例がいわゆる途上国などの女性に実家の支援をし、日本に呼び妻とすることなのだと思う。
ほぼ人身売買だが、実際にバブル世代で年の差婚の父は何が悪いか理解が出来ない。
海外事例には嫌悪感があっても、国内での年の差婚や上下関係の延長で結婚した事例とは何が違うのか、どこから線を引いているのか、あやふやな人が多い。
男尊女卑傾向が強い国や地域ほど「自分のところは違う」と無自覚になる傾向がある。
現代日本には、男尊女卑も年功序列もかなり残っている。まずそう簡単に逃れられるものではないという事実を、目を剃らさずに自覚する。その上で選択して初めて、何をどう意識するべきなのかを念頭におけるのであろう。