星組RRRパワハラで記憶にございません!104期抜擢は宝塚の攻防
一周忌を待たず再開した宙組公演への批判もあってか、理事長が報道各社の取材に応じた。星組生の訴えなどを無視しているのは相変わらずだが、この1年弱を考えればわりと無難に済んでいる。
週刊文春も『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~』新人公演のパワハラ告発を最後に宝塚を叩いていない。
星組は『記憶にございません!』新人公演主演に104期の御剣海と綾音美蘭を抜擢した。
人選そのものに不自然さは無い。しかし長の期で初主演、それもコンビでとは驚きだ。
104期は103期と共に、パワハラ犯として叩かれた。つまり105期以下にリーク者がいる状況なのだ。いくらなんでも、タイミングが悪かったは通用しない。
舞空瞳と天飛華音が自殺事件直後の主演公演を強行し、宝塚のモラル欠如や歪みが露呈した。
主演という立場、遺族の同期で故人の予科本科という関係性は、星組どころか劇団内で最も中止を決められるはずだった。裏を返せば、102期が中止しないなら他生徒は合わせるしかない。
「1番大変な人が平気ならそれ以下の人は耐えるもの」、大変さ比べになるのは日本全体の傾向に思う。
しかも劇場は地方とバウホールだった。「中止なら早く通達して」と本音がこぼれるぐらいには、行きにくい場所だ。
知人にもチケットを捌いている下級生なら「何で中止しないの?おかしい」と直接批判を浴びただろう。
宙組でさえリークが無くなったのに、星組下級生だけがリークし続けたのも仕方ない気はする。
ただ身バレに慎重なわりに話し過ぎていた。
『VIOLETOPIA』のパワハラや上級生のプライベート問題など、生徒からではない体だったリークも全てRRRパワハラリーク者と思われそうだ。
RRRパワハラ記事を『夜明けの光芒』千秋楽にぶつけたのは、リーク者の意向でないと思っていた。
しかしよく考えると、暁千星と親密な同期のプライベート問題は主演クラスではないのに掲載されている。他はいじめやハラスメントという社会問題の体なのに、唯一下世話な記事でもあった。
暁千星が組替えした時は、98期でも飛び抜けて目立つ有沙瞳と天華えまがいた。予科本科の97~99期も強いスターがいて、売り出すなら星組が最適だった。
しかし異動した途端にどんどん抜けていき、今や同期売り出来そうな唯一の当てへの文春砲であった。
そう考えると宙組は私怨の要素が強かったが、星組は派閥的な影響が強い印象を受ける。
103期104期全員がパワハラ犯とされる記事を出すぐらいなので、リーク者は今回の抜擢を苦々しく思っているだろう。
一時の衝動かもしれないが、恨んだ相手に大きなチャンスを与えられたのだ。
一方、劇団や星組プロデューサーからすれば「出番が少なくあってほしい」とまで吐露した105期以下だ。外したのは配慮といえなくもない。
ラストチャンスでの初主演は長年の苦労が報われた、万人に喜ばれる抜擢である。同期コンビでなんて尚更だ。
しかしそれが「週刊誌とリーク者への対抗」と思われてしまうのは、前代未聞の醜聞だろう。
結果的にパワハラも、週刊誌へのリークも、どちらも止めるべきと思われそうではある。
全員にそれなりの傷跡を残す、喧嘩両成敗な采配となった。