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芹香斗亜も有沙瞳のように退団の自由がある、のが救われた
芹香斗亜の退団が発表された。
就任時から3作と決めている流れではなかったし、宙組生に伝えたのは直前でトップ娘役春乃さくら以外には文章。なかなか無理がある説明であった。
もちろん他の退団会見含め、話すストーリーは設定である。真偽を追及するのが野暮なのは百も承知だが、それにしても説得力が弱い。
星組ではトップ娘役を設けない「礼真琴やもめ期」により、有沙瞳も伶美うららのように大劇場ヒロイン格が用意されていたと示された。
大劇場でトップ娘役級(宙組王家に捧ぐ歌、星組1789)+やもめ状態でのヒロイン格が池田泉州銀行イメージガールに用意されるのだろう。
あの説明で予定通りと押し通すよりは、芹香斗亜も有沙瞳のように「辞めたくなったら辞められる」をアピールしてほしかった。
労働基準監督署から是正勧告を受けたことも公表されたが「辞める自由」がちゃんとあることは大きいはずだ。
「餞のために多くの準備がされているスター」。はっきりいえばスポンサーの権威を誇示する機会を棒に振るとしても、辞めたいといえば辞められる。
本当に酷い組織なら数の決まっているトップ娘役だけじゃなく、イメージガールという役職で縛り付けストックを保つだろう。
こんなにお膳立てして、スケジュールを組み、色んな組織事情が絡みまくってる中で「有沙瞳の意志が尊重された」のは凄い。
「辞められない」(逃げられない)は労働問題の代表、場合によってはパワハラの根拠でもある。
宙組事件時は週刊誌も遺族も弁護士も「辞められない」根拠を示そうとしていたが、微妙だった。以前から公演毎に退団者はいるし、合意書では「組替えを言える環境だった」ことが逆説的に示されている。
2年は短い期間ではない。とはいえ巨大な組織と組織を繋ぐイメージガールで、常にメインキャストが確約され、華々しく退団するための餞までガッツリ用意されている。
この状況で「2年待てない」と退団、それを受け入れる組織となると見る目が変わる。
スポンサーの発言力の強さに複雑な心境もあるが、それは組織同士の話。いざとなれば組織や企業としての都合よりも、個人の尊厳を守る組織だったといえる。
それも事件前からだ。
トップスターとイメージガールではかなり事情や状況は違うだろう。むしろより多くの準備を振り切って退団出来るというなら、トップスターに退団の自由がある方がイメージは良くなる。
チケットや配信の売れ行き、舞台の出来映え、組のトラブル、結局はトップスター1人に責任がのしかかっている。さらにリークと称して誹謗中傷され、反撃も許されない。
トップスターは厳しい競争を勝ち抜いて掴む夢から、好きでなきゃ出来ない仕事になっていくだろう。
既にトップになれて「おめでとう」より、務めてくれて「ありがとう」の印象が強い。「トップになるぐらいなら退団する」という若手が当たり前に出てくるかもしれない。