見出し画像

秋の眠り

例に漏れず眠り続ける。眠ろうとすればとことん眠れる。日頃の眠りが足りないと思う。睡眠時間が長いと、鬱陶しい現実世界を短くできる利点がある。ショートスリーパーは絶対に無理。隣で工事の音が聞こえる。集合住宅のため生活している人が密集しているはずだが、廊下ですれ違うこともほとんどない。とても居心地が良い。センサーで自動的に明かりがつくのがいまだに面白い。人間に向いてないんだろうな、という悲しい思いは散々してきたし今も続いている。世代ごとに意見の分断が起きているのかもしれない。でも私はやっぱりどれだけ生きていても「ふつう」が体感としてわからない。老若男女、20代30代40代、、、男か女か、そのどれにも当てはまらない気がする。その時の気分で移ろいゆける。言葉を喋れるからそれっぽく生きているだけで、心から人間ではない気がする。だから私はもっとぼんやりした自分の感覚を信じていい。おかしいと思ったらおかしいし、嫌だと思ったら嫌だし、震えると思ったら震えるだけで、本当はシンプルなはずだ。簡単に絶望できるけれど、どこにいても取り戻せる気もする。本当はよくなるしかない世界。また眠る。みんな溶け合って夢の中に降りていければ一気に世界平和が訪れる。境目を無理やりに作ろうとすると、どうしてうまくいくものもうまくいかなくなるのだろう。

いいなと思ったら応援しよう!