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日常

けだるい、アンニュイ、ennui、フランス語はわからないけれど語感が面白い。あまり調子が良くないけれど先週よりは楽になっている。何だろうか、原因不明。小麦粉を摂取すると蕁麻疹が出てくるのが、気のせいではない気もしてきた。駅構内で購入していたパンが大して美味しくないことに気づいた。でも美味しくないのにどうして買い続けていたのか不思議になった。このパン美味しくない、と声に出して他者に伝えたら、よりわかった。不思議。
習慣化しているもの。食べ物や食べることとも上手く付き合いたいのだが、いまだに飲み物の方が好きだ。

徐々に冬に向かう、気温が下がる。寒くなると凍えながら登校前に嫌々支度をしたことがセットで思い出される。寒いのは苦手なので秋から冬に季節が変わると、少し怯えるというか警戒する。季節の変化をじっくりと「みやびなり」とかなんとか思える余裕が欲しい。変化は自分にとってはおそろしいけれど、それでも秋の空は高くてなんて魅力的なのだろう。

人口密度が高い地域に暮らしていると、少し緊張する。少し緊張、少し緊張。人を避けながら歩く。疲れているのに帰りたくない時は、本当は疲れている。狭い道を通る時はぼんやりしないようにしなければ。

地方都市に住んでいた頃、空港は駅から遠く、バスを使わなければならなかった。東京行きの便に搭乗予定日だったその日、駅から空港までのバスの発車時刻が全然違っていた。どうやら時刻表は時期によって変わるものらしい。よくあることなのか?
田舎なので1日数本しか便が出ていない。空港行きのバスを逃し、呆然としたままタクシーを拾った。事情を説明すると寡黙そうな運転手さんは「いけると思う。少し飛ばしますよ」と、時刻を確認しながら答えた。そして落ち着いたハンドル捌きで、空港まで無事に届けてくれた。見事だった。時間までに到着できるのか、乗車中は冷や冷やしていたが、空港に着いた瞬間はブラボー!という気持ちでいっぱいだった。ギリギリセーフ。搭乗手続きを終えることができた。普段タクシーを利用することは滅多にない。なんだか楽しかったとさえ思えた。あの運転手さんは今日もどこかで、気まぐれな時刻表のせいで窮地に追い込まれた客を、表情ひとつ変えることなく空港まで送っているのかもしれない。淡々と。そう思うと静かに感動する。小さな飛行場だったので飛行機が動き出すとスタッフが手を振っているのがすぐにわかった。

今日も夢を見たけれどやっぱり学校のシーンが出てくると夢見が悪い。私は学校が嫌いだったからだ。一度、夢でものすごく自由な学校に行けた時があった。きんぎょ注意報の田舎ノ中学校みたいな。それは良い夢で楽しかった。

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