そこにいるだけでいい

暗闇の中で目を開けていると闇がごうごうと巡っている。相変わらず頭がごちゃごちゃになっている。結局、本当の本当は、人という存在はそこにいるだけで十分なのだ。余計なことをする必要がないし強制する必要もない。本当の本当は。

「もっと優しくて大らかな世界に行こう」
行き方はわからないけれど、進む方向を決めた。恐る恐る。

無職なのが心細い。また以前のように働ける自信がない。いつも自信がない。心が痛んで喉がひりつく。もうこれ以上は無理だと思う。毎日泣いている。朝が来て夜が来る。また朝が来て夜が来る。ついていけない。この巡りについていけていない。早すぎるし不可解だ。せめて喜んで欲しい、だれに?どうして身を削ってまで差し出したのだろう。息を止めてまで譲ったりしたのだろう。何も感じなければ楽だった。それが私は出来なかった。

「世界は怖くないよ」
世界は怖くないし私はここにいていい、ここにいていいんだよ。誰かに許可を乞う必要なんてないんだよ。誰も喜ばすことができない。他に代わりはいくらでもいる。嘘嘘嘘。夜眠る前の時間が一番いい。終わりの方が好きだ。1人で勝手に終われるのは主導権を握れるし世界を一瞬でもコントロールできる方法だと思う。ちっとも気力が湧かないのに、心の底の底のほうでマグマみたいなものがある。唯一残っている原動力があるとしたらこれだ。「かわいそう」になんかさせない。私は私を絶対にかわいそうになんかさせない。

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