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上野駅の完全セルフな立ち食いそば屋に行ってみたレポート

筆者の地元路線は常磐線である。中学生時代から毎日のように利用していただけに、これ以上ないほど愛着のある路線だ。常磐線は上野駅を始発駅としており(一部列車は品川から直通)、上野駅を始発とする電車は主に10~12番線から発着する。

そんな上野駅の11・12番線に、前々から気になっているお店があり、出かける機会を作ったので足を運んでみた。その名も「セルフ駅そば 上野常磐ホーム店」である。

上野駅11・12番線の東京寄りにある。

「セルフ駅そば」の店名通り、このお店の正体は自動調理器によってそばが提供される無人の立ち食いそば屋である。自動でそばが出てくる様を「妖怪の仕業」とする辺りがなんとも洒落の効いた宣伝である。

早速注文してみようとお店に入るやいなや、衝撃的な但し書きが目に入ってきた。

注文方法を説明するパネル。
その上部に注目してほしい。
まあなんてこと

なんとこのお店、セルフサービスなのはそばだけではなく、お冷やまでもがセルフサービスなのである。それどころか、支払方法は交通系ICカードのみというケチっぷり。やむを得ず、一度お店を出て水の購入とSuicaのチャージに走る。

お店に戻り、ようやくそばを注文する。

メニューはたぬきつねそば、ちくわの磯辺天そばと、
紅しょうが天そばと豚肉そば。

提供されるメニューはこの4つだけである。
この手の自動調理器は構造上、トッピングを追加したり麺を大盛りにしたり出来ないのは筆者も薄々勘づいていたが、それでもバリエーションが少なく思えた。

今回はたぬきつねそばを注文してみた。
調理中の様子。
なにやらQRコードが表示されているが、
コレで会計できるわけではないらしい。
割りばしとレンゲは、
調理器に向かって右下の扉の中に入っている。
店内の様子。

調理が終わるまでの時間で店内を観察してみる。
この店舗はかつて存在したベックスコーヒーの空きテナントを活用して生まれたもので、その名残として店内には喫煙ルームとして使われていた仕切りが残っている。
肝心の自動調理器やゴミ箱は写っていないが写真の右の方にあり、食べ残しを捨てる流しや水洗も併設されている。なお先述の通り冷水機はない。

調理が終了すると扉が開き、
熱々のおそばが出現する。
容器自体もかなり熱くなっているので
フチを持つこと。

数分ほど経つと調理が終了した。いよいよ出来立てのそばとご対面である。

たぬきつねそば(600円)。
湯気が立っているのは
出来立てな上寒かったからである。

さて、肝心のそばのお味だが、これは結論から言うと冷凍食品感がどうしても否めない。三ツ星で評価するとなると大分辛口評価になるが星一つというところか。
麺にはコシがありお揚げもよく染みているので不味いというわけではないが、コレで600円は高いと感じた。完全セルフサービス化で人件費も最小限になっている事を考慮すると、450円程度が妥当に思える。汁もすすりにくいため、容器にも改良の余地があると感じた。

ちなみに、このセルフ駅そばがある上野駅の11・12番線ホームと、階段を通らずに同一プラットフォーム上で移動できる隣の9・10番線には以前から有人の立ち食いそば屋が出店している(後者はサムネイル画像にチラッと写っている)。
元々近くに立ち食いそば屋が出店している場所にわざわざ出店したこのセルフ駅そば、自動調理器の物珍しさから上野駅の新たな名物になるかもしれないが、取材時の閑古鳥の鳴きっぷりは、昼メシ時でなかったからであることを祈りたいところである。

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