【日記/ブログ】死んだ味覚よ美味さでビビれ
クロシオです。
先日から変わらず、コロナの後遺症で味覚と嗅覚が、ない。稀にうっす~ら感じたり、ザックリ「甘い」「しょっぱい」などは分かるものの、味を楽しむ事なんて全くできていない。
こうなってしまうと、もういっその事●●●味のカレーでも食いに行くかと考えたりもしたが、そんなことして味覚が復活してもトラウマになるだけなのでやめた。
…では、逆なら?食べた事のない、ものすごーーく美味しい物を敢えて今食べるのはどうだろう。
「ほら!初体験のめっちゃ美味い食べ物だぞ!!これを味わえなくてどうするんだ!!!」と舌をビビらせてやれば、慌てて味覚も復活するかも知れない。なかなか良いアイデアではないか?よし、やってみるか。
「美味い物」のイメージから高級料理店にでも行くかと考えたが、いざ食べた時に何の味もしなかった場合、その場にかなり気まずい空気が流れてしまう。それじゃあお店の人も悲しむだろう。
どうしたものかと思っていた時、とある動画を思い出した。
『マイナスポトフ』
「美味すぎて、食うほど逆に腹が減る」くらい美味いらしい。
いつも丁寧で柔らかい言葉を選ぶARuFa氏なのに、凄いハードルの上げ方だ。それほど美味い料理なら適任なのではなかろうか。
よし、コレを作ってみよう。
というわけで、調理開始。
(詳しい手順が知りたければ、上の動画を観てね。)
ARuFa氏も言っていたが、とんでもない面倒臭さだ。作業量が家庭料理のソレではない。
これ、お店出してる人とかに教わってない?
この記事に出てくる人とか。
何であれ、この労力の分、味は期待できそうだぞ。よしよし。
途中、鶏肉を煮込むために圧力鍋を使う行程があったが、そんなカッコイイ器具が家にあるはずもなく、炊飯器で代用。
ARuFa氏は可能と言っていたが、本当か?適当なこと言ってない??
いくぞ???
OPEN!
ARuFa氏〜〜!!!!
ウオオオオオオオオオ凄い!美味しそうに煮込まれている!!疑ってすみませんでした!!!
とっても良い香りが鼻の中を通り抜け…ていると思う(分からん。嗅覚も死んでるから)。
箸で摘んだ鶏肉が超ホロホロしている。これ今食っても美味いやつじゃん。いいぞいいぞ!!
味覚よ、そろそろ起きてもいいんだぞ?お前もこれを無味で食うのは虚しいよな?????
期待をしつつ、次の作業へ。
変な葉っぱも買った。動画のレシピと微妙に名前が違うが、多分大丈夫でしょ。
全部を煮込む所まで来た。鍋からボぅン。うるせえ押し込んでしまえ。
動画では口頭のみだったが、「市販の玉ねぎペーストを入れると尚良し」と言っていたのでスーパーで探したものの、見当たらず。
残念。
なので作った。
煮る→水を足す→煮る、を繰り返すだけだったので、とっても簡単。汎用性高そうだし、玉ねぎが余った時にこれ作るのオススメだわ。1時間くらいかかるけど。
…ウン。見た目はまあ…溶ければ、ね。ウン。
さあ煮込むぞ〜〜〜。
なんやかんやで完成。煮込んでも全然減らなかった。とんでもない量だ。
ただ、作っている段階で死んでいるはずの嗅覚も多少反応していた。うっす〜ら香る。起きた??
因みに味見は全くしていない。舌に予告をしてしまったら、きっとビビらないだろう。初めての一口で美味さの衝撃をブチ込むのだ。それできっと起きるはずだ。
…と、このタイミングで、お呼びしていたゲストが到着。
つづる氏。
作曲活動でお世話になっている人。鶏肉とブラックミュージックが大好き。(※写真はカビゴンで代用)
万が一味がしなかった場合ポトフが可哀想すぎるので、健全な舌を持つ人間を呼んでおいたのだ。
「なんか建物中がレストランみたいな香りしてて異様だったよ。」
「マジで?無臭なんだけど。」
「その鼻で作った料理めっちゃ怖いな」
到着早々、期待を高める言葉を頂いた。それ程の香りが漂っているのなら、少なくとも強い味がするのは確実だろう。第三者を呼んで正解だった。
まあ、ゲストなんて必要無いんですけどね!!何故ならこれから味覚は帰ってくる筈だから!!!
さぁ食うぞ!
オラオラ!!起きろ俺の舌!!!
2時間半かけて作った料理だぞ!!!クッソ面倒臭かったよなぁ!?!?
これで味しなかったら今までの苦労がパァだぞ!?!?
頂きます!!!
味しねえええええええ嫌ァアアアァアアアアアアアァアアアアアアアアアアァアアアアアァアアアアアァアアアアアァアアアアアァアアアアアアアアアアア!!!!
ダメでした。
いやーなんかね、食感は驚くほど柔らかいし、舌の上でめちゃくちゃ細かい反応が連続で起きてるのは分かるのよ。舌が騒いでるのは分かるわ。でも味しねえ。
多分かなり複雑な味で、かつ上品なまろやかさがあるっぽい。ポイ。
でもねえ!その味が脳まで届かないんですよ!!!!!!チクショウ!!!!!!!!こんなに美味しそうなのに!!!!
い、いや待てよ!?
そもそも私がこの料理の味付けをミスっていて、味が薄いだけかも知れないじゃないか!!!!
つづる氏はどう!?!?味薄かったりする!?!?
「とんっでもない美味さ。過去1レベル。味の洪水。」
チクショオオオオオオオオオオオオオオオオ俺も食いてえええええ!!!!!!!!!
いや食ってるけど味わいてえええええええええええええ起きてくれ私の味覚ぅゴオオオオ!!!!
ハイ。
まあそんな感じで完全に目論見は失敗しました。オジサンの顔何個もドアップでごめんね。
いや悔しいな〜〜。どう見ても美味い食べ物なのに全っ然分かんねえ。何だったんだこの2時間半は。
とてつもない虚しさが残りましたが、やはりARuFa氏の言う通りめちゃくちゃ美味しいみたいです、マイナスポトフ。
つづる氏からも絶賛して頂きました。白米も用意してたんだけどガン無視してポトフ食ってた。
狂った?
「高級レストランの料理みたい。うめぇ。ウメェ。ウメェ。」
「褒められるのは嬉しいけど全然頭に入ってこねえ…。何なんだこの虚しさは…。」
完食。
味がしないとは言え、触覚はあるんですよね。スルリと口に入っていく感覚、全部の食材のとんでもない柔らかさ、スープのトロトロ加減から分かる具材の『染み込み感』…
「美味いやつだよなぁこれ…」という感じはメチャクチャ伝わりました。何故かドンドン口に入って行ったもん。身体は正直だったわ。
味こそしませんでしたが、なんだかんだ初めての料理ってワクワクするし、これだけ作ったら明日も腹を満たせるし、結構楽しかったな。
ありがとうARuFa氏、ありがとうつづる氏。俺、この料理また作るよ。舌が治ったらな。クソが。
というわけで、このマイナスポトフ、味こそ知りませんが、オススメです。多分美味い。いや、絶対美味い。
味覚がない奴のグルメレポなんて意味ないかも知れませんが、皆さんも是非作ってみて下さい。ARuFa氏に続き、私とつづる氏が保証します。
というわけで以上、クロシオでした!
回ればいいのよ元々空気