24F五 とてもあざやか

週刊少年ジャンプで連載していた暗号学園のいろはが終わってしまった。
毎週楽しみにしていたのでショックがでかい。


とはいえ覚悟はしていた。
贔屓目に見てもこの作品がジャンプ向けの作品ではないことは明らかで、長くは続かないだろうとは思っていたし。


それでも毎週アンケートは1位で出していたし、単行本も発売日に買っていたからやはり、やりきれない。

単行本換算で7巻。逆に良く続いたとも思う。
まあ、打ち切りなのかと問われればどうだろう?

西尾維新がどこまで構想していたかは本人が話すことが無い限り知る由はない。
でも上手く纏まっていたんじゃないかな。
打ち切りではないと言われても納得は出来る範疇に収まっている気がする。


暗号を解く漫画と説明されると取っ付きにくさがあるかもしれない。
でも読んでみたらそんな事はなくて、しっかりと王道をなぞっている。


暗号は解かずに読み飛ばしても構わない。
実際僕なんかは解くのはからっきしだったので殆ど飛ばしていた。(大きな声では言えない)

けれど暗号がストーリーにも絡む時もある。
そういう時は都度Xで考察や解答している人のポストを見ることで補完出来た。
そういう人達が暗号学園を支えてくれたお陰もあって僕も深くまで理解する事が出来ていたのだ。
本当に有り難い限り。


そんな僕でさえ、西尾維新の構成力と岩崎優次先生の圧倒的な画力で楽しめていたのだから凄い漫画だ。
キャラクターも魅力的な人物ばかり。
不快なキャラクターがいないのは西尾作品らしい。みんな好きになる。


語りたい事はたくさんあるけれど纏まらない。
またいつかちゃんと書こう。






森鴎外の高瀬舟を読んだ。
再読だけれど、何度読んでも良いな。

情景描写がとにかく美しい。

夏の温い風が髪を撫でる。
黒い水面には白い月が浮かんでいる。
ゆるい波紋を作りながら、囁きの様な音を立てて進んでいく高瀬舟。

情景がありありと浮かぶ。実際に現地に行って体験してみたい。(文豪作品ってなんか聖地巡礼したくなる)

そしてそんな美しい情景描写に相対するかの様な壮絶かつ残酷な弟の絶命シーン。
凄い。

文豪作品を読む度に、僕は作品の面白さを一つでも理解できているだろうか?と思うのだけれど、高瀬舟はそんな僕にも気付きを与えてくれる素晴らしい作品だと思う。



足るを知る。
SNS隆盛のこの時代、とても大事な事だ。
とはいえ現代に染まり切った僕には一生無理だろうな。


手にしても手にしてもまだまだ足りない気がしてしまう。何も持っていない様な気になる。
何処までも際限のない欲望だと分かってはいるのに、求めざるを得ない。


喜助の様に晴々と、船に揺られて何処か遠くへ行きたい。
それが許されない罪に対する罰だとしても、それをどうしても羨ましいと思ってしまう。


短いけど今日はここまでにしよう。
書けない日はとことん書けない。
そういう日もある。

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