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きっかけは一本のホームランだった。


私が佐野恵太について語る前に、まず私がバッターを「推す」きっかけとなる基準について触れなければならない。

私が本物の打者の打球を見た瞬間、私の心に訪れるのは、歓喜や失望、驚嘆などではなく「恐怖」である。

それでいて、その弾道が描く軌道から目を逸らすことができず、ただ恐ろしさと共に沈黙が続いてしまう。そんなバッターに私は惹かれるのだ。

私が初めて「恐怖」を感じたプロ野球選手は福留孝介である。

その中でも最も印象的であった2本を以下に貼るが、あくまで私はタイガースファンである。このような最高の局面で打つホームランをみれば、ファンであれば狂喜乱舞して当然だろう。

しかし、私はブキャナンで違和感を覚えヤスアキでそれが確信に変わった。「この選手だけは一回りも二回りも格が違う。」

この瞬間、私の中で「本物の打者」とは「恐怖」する打球を放つ選手になった。



私が今の現役打者の中で、この境地に近いと感じるのは、巨人・岡本和真、阪神・ジェリーサンズ、そして今回の主人公DeNA・佐野恵太選手である

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「恐怖」までの軌跡

正直なところ、最初の佐野恵太選手に対する印象は「しなやかなバッティングするなぁ」程度のものだった。(↓当時の私のTwitter)

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しかし、恐怖は突然やってきた。



2019/9/4、ホームハマスタでのDeNA対阪神戦、8回裏カウントB3S1O1

代打で起用された佐野恵太は、ピアース・ジョンソン(PJ)のアウトハイのストレートをレフトスタンドへの同点アーチへと変えた。

点差や勝敗ではなく、打球を目から離すことができないこの瞬間、私は「恐怖」と共に佐野恵太の覚醒を確信した。

そして、2020年オフ、筒香選手の海外移籍と同時に、ラミレス監督は筒香の後継者として4番佐野恵太固定を明言することとなる。

しかし、オープン戦の不調などからDeNAファンのみならず、佐野恵太の起用法について賛否が分かれる事となるのだが、あの打球を目の当たりにした私にとって、佐野恵太を固定することは至極当然のことであると思った。

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https://www.nikkansports.com/baseball/news/202001230000715.html

(↓当時のTwitter)

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(↓その後打ち始めて調子に乗り出す)

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この年、佐野恵太は首位打者・ベストナインを獲得することになるのだが、彼にとって単なる通過点にすぎないため割愛することにする。



最後に:ラミレスという存在

まずは佐野恵太のポテンシャルを見出し、信頼し起用し続けてくれたラミレス元監督には惜しみない賛辞と感謝を送るべきだろう。

佐野恵太を語る上でラミレス元監督は間違いなく外せない存在である。どうか、しばらく休養した後でいいので、将来タイガースの打撃コーチに就任してほしい限りである。


彼の育てた打者は今も私を虜にし続けている。


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