DXのゴールは業務のシームレス化だ!ーGoogleサイトで作るグループウェア (81)ー
この記事を読んで欲しい方
企業DXや校務DXの進め方に悩んでいる方
クラウドアプリの導入に悩んでいる方
①DXグループウェア講座第1講の要約
今年はじめから公開しているDXグループウェア講座ですが、第1講の主要な部分の要約を作りました。
ここではコンサル的な言葉はなるべく使わず、システム開発的な視点で作っています。
②個人と職場でのPCの使い方の違い
左側の一般的なコンピュータの画面は、初心者にとってパソコンの操作が学びやすい反面、会社や学校などの職場全体では、情報を共有し実務で利用しようとすると、とても使いにくくなることはご存知ですか?
③職場のDXで求められているコンピュータの使い方
職場で一般的なコンピュータ・システムの使い方は、左側がかなり多いですよね。
これはつまり、個人向けのデスクトップパソコンをネットワークで単につないだだけのシステムです。
しかし、会社や学校などの【職場のDX】に求められているコンピュータ・システムの使い方は右側なのです。
④5つのトラブルが効率化を妨げる
今までのコンピュータ・システムの使い方で起きるトラブルは、常に発生し続け、終わりがなく、それが職場(会社・学校)の効率化を著しく悪化させていきます。
特に大きなトラブルは、以下の5つです。
①ウィルスに感染するトラブル
②ファイルを探せない、整理できないトラブル
③システム全体のセキュリティトラブル
④機械的(故障など)データ消滅のトラブル
⑤時間的トラブル
⑤クラウド化の第1のメリット(5つのトラブルの解消)
では、クラウド・プラットフォームを導入すると、どのようにトラブルが解消できるのでしょうか?
①ウィルスに感染するトラブルは、Gメールでは発生しません。
②ファイルはデスクトップに置かず、クラウドで一元管理。
ファイルを探せない、整理できないトラブルは、Gドライブの高度な検索機能を使い解決できます。
さらに、自動履歴作成のため、ファイル修正後のバージョン管理による同じようなファイルの増加が発生しません。
③システム全体のセキュリティトラブルは、Gドライブ導入で、なくなります。もちろん、Gドライブにファイルを入れている限りウイルスには感染しません。
④パソコンの故障などの機械的トラブルによるデータの消滅は、Gドライブ導入でなくなります。データは常にクラウド上にあるからです。別の端末からログインすれば、すぐにデータにアクセスできます。
⑤クラウド・プラットフォームは24時間稼働し、いつでも、どこからでも使えます。
また電話やメールからチャットへの移行で、相手の時間を奪うやりとりが大幅に削減できます。(職場・学校内部での情報のやりとりは、すべてチャットで可能です。)
⑥クラウド化の第2のメリット(業務のシームレス化による3つの効果)
さらに、5つのトラブルが解消(真の効率化)することで、次の段階として業務のシームレス化という、第2のメリットが発生します。
そして以下の3つの効果を生み出します。
①システムの可用性(24時間いつでも使えること)の向上
②業務レスポンスタイムの向上(だれかの待ち状態がなく、仕事の回転が速くなること)
③業務の全体最適化が自然に作られる(お互いに最も速い方法での連携作業ができること)
現在、シームレス化とは、主に、「サービス間の境目を感じることなく一つのシステムとして使える」ことや、「組織上の境目・垣根を超越し、スムーズな関係を構築する」という意味で用いられています。
つまり、単にアプリケーション間の連携が境目なく動くようになっている事だけではなく、組織構造の垣根を超えてスムーズな人間関係を持てるコラボレーション状態が作られているということが重要なのです。
⑦DXのゴール
DXの成功への道は、このように2段階で進んでいきます。
いままでのPC環境に、なにか特定のアプリケーションを入れて、業務改善することではありません。それはDXではありません。
DXとは、デジタル技術(D)を使って、根底から変える(X:トランスフォーメーション)ことなのです。
⑧DXグループウェアの全体像
私が提案するDXグループウェアは、Googleワークスペースを土台とした、Googleサイトを中心としたグループウェアの作成です。
これは、無料で作れるだけではなく、管理の仕組みや拡張性もあり、さらにGoogleワークスペース有料版を導入すると、会社では財務省の電子帳簿保存法の認証も満たすことができます。
今回つくる部分は、Googleサイトの部分で、全体として、以下のような標準的なDXグループウェアが構成できます。
さらにシームレス化で重要になってくる部分は、この部分です。
そして、職場を最終目標のシームレス化に至らせるためには、前述した仕事の【場】として、①チャットを中心とした垣根のないコラボレーション環境を実現することと、②システム的にはワークフローやオートメーション構築のためのアプリケーション開発が必要になってきます。
⑨DXを進めていく時の注意点
注意していただきたいのは、グループウェアの導入やDX化を、すぐにタイムカードシステムや会計システムを入れるとか、稟議・承認などのワークフローシステムを入れると思わないでいただきたいということです。(学校だと出席管理システム等も同様です)
DX化の手順の中では、タイムカードや稟議・承認などのワークフローアプリの導入は、DX化の流れの一番最後になります。
DXは幹から作るべきで、枝葉から取り組んではいけません。