私はHERMES?それともCOACH?|マーケティングが恋愛を制す
絶世の美女ではないけどまあまあ可愛いほうだし、性格も頭も悪くないし、料理や掃除も人並みにはできる。
愛想だっていい方だし、仕事もそれなりに頑張ってるし、金遣いが荒いとか致命的な欠点があるわけでもない。
もっと言えば、別にモテないわけじゃない。声をかけてくる男性だって、いるにはいる。
それなのにどうして?......どうして私には彼氏がいないのか。
理由がわからず迷宮入りしているアラサー女性がいたら、是が非でもこちらの本を熟読することをオススメします。
【恋に効く】ダブルアールおすすめ作品Vol.4
サバイバル・ウェディング|大橋弘祐著 2018年6月初版発行
2018年には女優・波瑠さん主演でドラマ化もされているので、すでにご存知の方も多いかもしれません。
出版社勤務の黒木さやか(29)は、寿退社した日に、結婚相手の部屋で他の女のパンツを発見。婚約破棄されてしまう。
どうにかファッション誌の編集部に復帰するが、新しい編集長はドSのブランド大好き男、宇佐美(41)。
雑誌の企画として「半年以内に結婚できなければクビ」とさやかに命じ、「高級ブランドの戦略を使えば結婚なんて余裕だ」と豪語する。
*裏表紙から抜粋
男女の機微を高級ブランドのマーケティング戦略になぞえて説く編集長・宇佐美の言葉は最初から最後まで名言だらけ。
中でも非常にわかりやすく、印象的なのはこちらのセリフです。
「お前はルックスに恵まれているわけでもなく、知性を兼ね備えているわけでもない。そして残念なことに三十歳の大台を超えようとしている。エルメスやシャネルのようなスーパーブランドにはなれないが、コーチならなれる」
この一部分だけを切り出すとコーチを見下しているように聞こえてしまうかもしれませんが、実際はそういうわけではなくて......。
宇佐美は、お世辞にも絶世の美女とは言い難い(=エルメスやシャネルにはなれない)さやかに対しコーチが採用した独自のマーケティング戦略を教えたのです。
その戦略というのは、逆に言えば、エルメスやシャネルは絶対にやらなかったし、できなかった戦略でした。
戦略① 勝てる場所を選ぶ
コーチはもともと年輩向けのビジネスバッグをつくる高級革製品ブランドでしたが、90年台半ばにカジュアル化が進んで業績が低迷......。
そこでコーチは徹底的な市場調査を実施。その結果、6万から8万のバッグを提供しているブランドが存在しないというホワイトスペースに気づき、ポジショニングを変えたのです。
コーチは自らがエルメスやシャネルのように数十万のバッグを売っても売れないことを客観的に理解した上で“勝てる場所”を選び、成功したー。
この戦略が、恋愛や婚活においても非常に重要であることは言うまでもありません。
私はエルメスなのか?コーチなのか?
自身の恋愛市場における価値と魅力を客観的に把握し、その上で“勝てる場所”に自らをポジショニングする。
妥協するのとは違います。"自分に価値を置いてくれる男性"にターゲットを絞るんです。
こうしてポジショニングさえ間違えなければ、たとえあなたの客観的な評価がコーチであったとしても、相手の男性からエルメス......いや、エルメス以上の存在として扱ってもらえます。
特に秀でて美人というわけでもスタイル抜群でもないのに、なぜかいつも彼氏が途切れない。しかも常に、とっても大切にされている。
......巷にいう恋愛偏差値が高い女というのは、このポジショニングが上手な女性のことを言うのでしょうね。
戦略② 要望に応える
勝てる場所を選ぶことと、もう一つ、コーチが採用した重要なマーケティング戦略があります。
それは、ユーザーの声に耳を傾け、商品に反映させたこと。
顧客に次シーズンのサンプル品を見せて、ジッパーをこうしたほうがいいとか、持ち手の長さはこのほうがいいとか、意見を柔軟に採用しました。
エルメスやシャネルは絶対にやらない&できないこの戦略で、コーチはターゲット層の心を掴むことに成功したのです。
人は、欲しいものを与えてくれる相手を好きになっていくもの。
あなたがもし長澤まさみか北川景子級の美女ならば、相手のニーズや要望などお構いなしに「丸ごと愛して」と言っていればいいと思いますが(笑)
相手が欲しているものは何か・求めていることは何かを汲んであげられる女性が永く愛され、選ばれるのは自然な流れでしょう。
ほかにも、編集長・宇佐美のドSなアドバイスには思わず唸ってしまうような名言・格言がたくさんあります!
「サバイバル・ウェディング」は、恋愛・婚活に悩む女性のバイブルとも言える一冊です。
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