歩行を捉える 痛みを捉える
こんにちは、理学療法士のおかむーです。
今回は、「歩行を捉える 痛みを捉える」について、お話したいと思います。
ただ、これは私のやり方ですので、参考程度までに。
歩行と痛みの捉え方の違いは、全体から捉えるか、局所から捉えるかです。
Ⅰ. 歩行について
歩行は、まず、全体から捉えます。
捉える優先順位は高いものから
① 安定した歩行か?
② 実用的なスピードか?
③ 見た目がおかしくないか?
どこまでを目標にするかは、年齢や生活様式で変わります。
施設入所などの方でしたら、安定した歩行が目標になりますし、若い方でしたら見た目も重要になります。
見方は、歩行させたときの全体像から、徐々に部分に絞り込みます。
歩行の見方の手順について、例に挙げると
① どの方向に転倒しそうか。
② それは歩行周期のいつか。
③ どの関節の動きが、そうさせるか。
④ 関節をそのような動きにさせてしまう原因は何か。
になります。
Ⅱ. 痛みについて
痛みは、歩行とは逆に、局所から捉えていきます。
知りたいのは、痛みがどのようにして起きているかです。
それがわかれば、アプローチ方法が見出せます。
手順として
① 情報
② 痛みの部位
③ 痛みの種類
④ 痛みを起こす動きや姿勢
(これにより、どのようなことが起きているか、ある程度、予測できます。)
⑤ ①~④の内容から推論したことが、正しいかどうか評価で確認
⑥ なぜ、そのようなことが起きているか推論
⑦ 推論した内容が正しいかを評価
⑧ 出た結果に対してアプローチ
⑨ アプローチ結果で推論の正しさの可否を判断
ここまでは局所です。
アプローチ後は良いが元に戻る。また、ある程度、痛みが減ったが、そこから変わらない場合は
⑩ 見方を、局所から遠位に少しづつ広げていきます。
(この時、局所とのつながり(関連性)がなければいけません。)
⑪ 関連性のある広がりの部分への推論が正しいか評価
⑫ アプローチ
⑬ 結果による信憑性を判断
です。
私は、必ず、理学療法前に、歩行や痛みが出現する動きについて見ます。
そして、アプローチ後、また、見て効果判定をします。
この時の患者さんへの言葉がけは、「どうですか?」です。
「痛みはよくなりましたか?」は、患者さんを誘導してしまうので避けています。
また、痛みは主観であり、患者さんが強弱を判断するのが難しい場合があるので、その時は、動きの変化(動きの方向やスピード)やご本人の表情から判断します。
なぜ、このようなことを書いたというと
これは、学生や新人PTにありがちですが、歩行では局所から、痛みは遠位から見てしまうことがあるからです。
教員時代、学生に患者さんの歩行の映像を見せて、「何が悪い?」と聞くと、いきなり、「股関節伸展が少ない」など、局所のそれも正常と違う状態を答える人が多かったです。
「それと、このよろよろした歩行とどうつながるの?わかるように教えて」と言うと、曖昧な答えしか返ってきませんでした。
また、新人PTに「この人の膝の痛みは、何が原因だと思う?」と訪ねると、「あのような歩容では痛みも出ますよ」と答えます。
すると、私は学生と同じような質問で、「では、その歩容と痛みはどう関係しているの?わかるように教えて」と言うと、やはり曖昧な答えが返ってきました。
私も「わかるように教えて」が、パワハラかと反省していますが。
大事なのは、つながりによる関連性です。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。