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片脚立位と体幹について

こんにちは、理学療法士のおかむーです。

今回は、「片脚立位と体幹について」について、お話しします。

情報)

20代の健康で既往がない方である。

右片脚立位で開眼ではよいが閉眼になると、途端にバランスを崩す。

右  左


Q) 体幹との関わりでどのように考えるか?

A) 片脚立位の体重支持には、下肢の支持性と下肢筋の協調によるバランスが必要である。

バランスを崩すと言うことは、それらいずれかの機能の低下を意味する。

ここで、被験者がバランスを崩す方向は左右なので前額面の動きで考える。

Q) 下肢のどの部位を軸に考えればよいか?

A) 姿勢保持戦略として、下肢では足部の対応が重要である。

Q) 足部のどのようなところに着目すべきか?

A) 体幹が左に傾くのは、重心が右に行く補正である。

写真を見ると、骨盤が右に移動している。

右  左


この動きは、足部の外側に荷重させて安定化を図ろうとした現れと捉えることができる。

この外側荷重は足部の内返し筋による対応になる。

足部の内返し筋で最大作用筋は、下腿三頭筋である。

Q) それと体幹の関係は?

A) 下腿三頭筋はハムストから起立筋につながる。

Thomas W.Myers 著 坂場英行 他 訳:アナトミー・トレイン 徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版 より引用 


すると、推論として以下が考えられる。

体幹では、腹部筋より起立筋が優位であり、今回の場合も姿勢保持に起立筋を優位に使用していた。

その促通のために下腿三頭筋が使われ、それを使用した姿勢保持のために重心を外側に位置させた。

この時、下肢での姿勢支持と起立筋の促通から緊張が高まり、コントロールが低下して姿勢保持が難しくなった。

Q) 評価は?

A) 起立筋促通とした場合、腹部筋の低下の可能性がある。

そこで、日常動作で腹部筋を最も使用する起き上がりを観察した。

すると、起き上がりで右の上肢と左腹部筋の使用が確認された。

この時、両股関節を内転・内旋、両膝関節伸展、両足関節底屈・内返しさせており、特に、右下肢でその現象が強かった。

右  左


Q) ここから見えることは?

A) 起き上がりで右の上肢と左腹部筋の使用から、左腹部筋が右に比べて使いやすいこと、それでも不十分な分を上肢でカバーしている。

右  左


下肢の現象からは筋連結を介して腹部筋を促通しており、その現象が右で強いことから、右の腹部筋が弱いことが伺われた。

右  左


Q) これらから見えてきたことは?

A) 弱い体幹筋に対して、下肢から筋連結を介して促通するパターンの方である。

下肢からの促通は体幹のアウター筋に対してである。

Thomas W.Myers 著 坂場英行 他 訳:アナトミー・トレイン 徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版 より引用 



すると、腹部インナー筋の低下が伺われる。

そこで、腹部筋でインナーを考えると内腹斜筋や腹横筋になる。

評価では、触診でそれら筋の緊張が右で低いことが確認された。

Q) アプローチは?

A) 内腹斜筋を促通するためにファーラー肢位様からの股関節軽度屈曲運動を5分間実施した。


Q) 結果は?

A) 閉眼の右片脚立位で、骨盤の右移動と体幹の左傾斜は減少した。

前       後



最後までお読み頂きましてありがとうございます。

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