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【RPAリーダーUiPath社】ユーザーと共に創り上げる成長戦略

急成長を続けるUiPath社のすごさを、日本企業での経験と照らし合わせて分析してみた。

従来型メーカーと最先端ソフトウェア会社

先日新登場したStudioXはユーザーがRPAをプログラムする開発ツール。

つまりユーザーが毎日操作する、最も重要な製品の根幹部分だ。

これを大幅変更してリリースする大胆さ。
そして、その使い勝手をユーザーと会話しながら、順次バージョンアップで改善を図っていく。

従来型製品作りとの差にとても驚くとともに、我々も学ぶべき圧倒的なスピード感だ。

スピードが出ない日本的大企業

私は日本メーカーで製品作りに長らく携わっている。

製品を企画して、開発して、品質保証のチェックをして、生産し、販売するというのが新製品発売までの一連の流れだ。

製品企画

新製品の仕様決定をする際に念入りに確認するのが、スペックダウン。
旧製品でできていたことが、新製品でできなくなることは絶対に避けたい。

たとえその機能を使っている人が全体の1%であれ。

もしくはそもそも、その機能を使っている人が全体の1%なのか50%なのか、知ることが難しいこと。
一度製品を市場に出してしまうとその後の変更が難しいことも、慎重にならざるを得ない理由だ。

品質保証

想定しうるエラーや不具合を全て確認してから、世の中に発売することが重要。
考えうるありとあらゆる条件の組み合わせを再現し、全てをクリアーして初めて『OK』が出る文化。

お客様にケガをさせてはいけないなどは当然のこと。
使い勝手が悪くイライラする、エラーの対処に時間を取られる、なども絶対に避けたいことである。

これらの文化が日本型企業には蔓延している。

お客様のことを第一に考えた上で作り上げてきた思想なので、とても良いことではある。

しかしそのことで失っているスピード感。

さらにどれだけ時間をかけて完璧に作り上げた配慮も、来月には世の中の状況が大きく変わるかもしれない。

つまり、ある時点では完璧でも、それが長く続かないのが今の超速変化時代だ。

現時点で最高の製品を出したら、5年、10年勝てた時代の製品作りでは対応しきない。

双方向コミュニケーションで作り上げる製品

UiPath StudioXの画面には上のアイコンが追加された。


お客様コメントボタン。
押してみるとこんなアンケート画面が。

・バグの報告
・製品に関する提案

素敵なアイディアをお待ちしております。

こんなことができる企業は強い、というか羨ましい。

提案をお客様から頂いたら、当然それに応える必要がある。
もしくは応えられない理由をきちんと説明する必要がある。
・・そんな開発方法はできない。
会社内で全て整った仕様を、長い時間をかけて実現する開発体制の企業には。

UiPathは世界中に熱心なファンが多いのでこの手法がハマる。

ただのプログラマーではなく、自分も製品開発に参画できることはUiPathファンにはたまらない喜びだ。

単純なクレームではなく、ユーザー目線でしっかりと考えられた声がきちんと届く土壌を持っていることはすごいことだ。


UiPath社の目的は、アンケートのタイトルにある通り『製品向上』である。

その実現には、まずはお客様の声を聞き、その上で自分たちができることを考えることが一番だろう。

自分たちができること、正しいと思うことを貫くだけで良かった時代は終わったのだ。

良質な声を吸い上げる仕組みと、それに応えられる技術力。

これを超スピードで進めるUiPathは本当に強い。

今もUiPath Forumと言うオープンな質問サイトには、世界中のユーザーから声が届き、製品力アップの会話がなされている。

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