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『稲盛和夫一日一言』12/25(日)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 12/25(日)は、「苦しき世の生き方」です。

ポイント:苦労とは魂を磨くための試練であり、おのれの人間性を鍛えるための絶好のチャンスである。試練を「機会」としてとらえることができる人こそが、限られた人生を自分のものとして生きていける。

 2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、生きている間に出合う試練、災難について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 人は生きている間にさまざまな試練、災難に出合います。試練というのは、まさに神様が我々に心を磨くために与えてくれたものです。そういう試練、災難に出合うことを喜んで、そしてそれをよい方向に解釈して、自分の心を磨くための機会にしていくべきなのです。
 生きている間には、ケガをしたり、難病にかかったり、また事業に失敗し、研究に失敗し、会社の中で評価を落としたりと、いろいろな目に遭います。しかし、そうしたものはすべて、自分の心をつくり、磨くために神が与えてくれた試練ですから、真正面から受けて、めげないで一生懸命努力をすることが大事です。
 時には、友人知人からも非難囂々(ごうごう)であったり、バカにされるといったつらい目に遭ったりもしますが、そういう中でもくじけずに努力をしていく。そのことが、実は自分の魂、心を磨く手段となるのです。そういう意味では、試練はむしろ喜ぶことだと私は思います。
 人生の目的は心を高めることですから、そういう試練に遭うことをもありがたいことだと思うべきなのです。
(一部要約)

 自分の人生をふり返って、楽しいことばかりだったと断言できる人は、本当に幸せな人生を送られてこられたのだろうなと思います。

 ライフデザイン研修などで、「ライフラインチャート」を書かれた経験をお持ちの方も少なくないでしょう。ライフラインチャートとは、自分のこれまでの人生を「幸福度」という尺度で、生まれてから現在までの連続した1本のアップダウンカーブで書いてみるものです。表の横軸は時間軸(=人生)、縦軸は自分が感じてきた幸福度(=満足度)をその大きさで表します。
 そうしたチャートを作成してみることで、人生の中で自分がどのような選択をし、それがどのような結果につながったのか、そうした自分なりの価値観、人生観を客観視するためのきっかけが得られることもあります。

 生きていて苦しいときは、なぜ自分だけがこんなひどい目に遭わなければならないんだろうと、誰かを恨みたくなることもあるでしょう。そんなとき、その苦労が魂を磨くための試練だと素直に捉えることのできる人はほんの一握りではないでしょうか。

 今日の一言には、「そうした試練を自身の魂を磨くための貴重な機会として捉えることができる人こそが、限りある自分の人生を本当の意味で自分のものとして生きていける人なのではないか」とあります。

 「人生山あり谷あり」
 山登りをしたことがある人はイメージしやすいかと思いますが、谷間にいるときの景色と山頂からの景色とでは見え方が全く異なります。
 このことわざには、自分が今いる場所からだけで人生の幸せ、不幸せを判断するのではなく、視野や時間軸を広げてみることで目の前の状況も違って見えてくるよ、というポジティブな意味が込められているそうです。

 今からでも遅くはありません。あらゆることが己の人間性を鍛えるための絶好のチャンスだと捉え、少しでも気持ちを前向きにして生きてみませんか!


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