『稲盛和夫一日一言』2/14(火)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 2/14(火)は、「もっといいやり方はないか ②」です。
ポイント:昨日の努力に少しの工夫と改良を上乗せして、今日は昨日よりもわずかながらでも前進する。決して通い慣れた同じ道は通らないことが、成功に近づく秘訣。
2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、創造的な仕事をするうえでの基本的な姿勢について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
昨日の努力に少しの工夫と改良を上乗せして、今日は昨日よりもわずかながらでも前進する。その姿勢こそが、「創造的な仕事をする」ということなのです。
私自身、そのようにしてずっと創意工夫を続けてきました。振り返ってみると、社会に出てから今日まで、同じ道、つまり「通い慣れた道」を歩いたことはなかったように感じています。また、一度も後ろを振り返ることなく、ずっと前向きに歩き続けてきたとも思っています。今歩いているこの道も、私にとっては全くの新しい道であり、前を見据えて歩き続けているのです。
創意工夫による一日一日の変化はわずかなものですが、それを毎日毎日、三年、四年と続けていると、誰もが不思議がるほど大きな変化を引き起こせるはずです。
例えば、新しい分野へ参入しようとする場合、資金に余裕のある会社であれば大金を叩いて画期的な技術や設備を購入することもできるのでしょうが、そうしたことができる企業はそう多くはありません。
現在も成長発展を続けておられる企業の多くは、自社の保有するコア技術に対して日々の創意工夫を重ねることによって、他社と差別化できるほどの素晴らしい技術を身につけてこられているはずです。
中小零細企業であっても、「こんなことで本当に会社を立派にすることができるのだろうか」と思えるほどの小さな努力を、時間をかけて続けていけば、数年先には企業内に確かな技術が蓄積されていくのです。
社員全員で毎日創意工夫を続けていく。その努力の継続こそが、会社を発展させていくための原動力になります。現状に満足することなく、あらゆることに工夫を重ね、新しい分野へ果敢に挑戦していく。つまり、「もっといいやり方はないか」と「常に創造的な仕事をする」ことが、事業を発展させる最も基本的な手段となるのです。(要約)
合わせて、稲盛和夫OFFICIAL SITEの「独創性を重んじる」の項を紹介します。
京セラは、創業の時から独創性を重んじ、人の模倣ではなく、独自の技術で勝負してきました。他社ができないといったものを喜んで受注し、全員が必死の努力でこれをつくり上げ、結果として独自の技術を次々に確立・蓄積してきたのです。
何としてもやり遂げなければという強い使命感をもち、毎日毎日創意工夫を重ねていく、その一歩一歩の積み重ねが、やがてすばらしい創造へとつながっていくのです。(抜粋)
私が京セラ総合研究所で新規セラミック材料の研究開発を担当するようになって間もないころ、上司から次のような質問を受けました。
「誰がやっても同じような結果が出るはずの実験の繰り返しでも、それを何か月か続けていれば、間違いなく担当者ごとに違う結果が出てくるのだが、それはなぜだか分かるか?」
口ごもっている私に、「同じようなことの繰り返しだからこそ、そこには担当する者の人間性が反映される。作業の正確さといった実務的な面もあるにはあるが、出てきた結果をどのように解釈して次のステップを決めるのか、その部分が非常に大きい。だから、課題をブレークスルーするための予兆となる小さな変化も見逃さないよう、毎日毎日ど真剣に仕事に取り組むことが必要なのだ」と上司は続けました。
一瞬一瞬の連続が一日となります。ならば一瞬もおろそかにはしないという気持ちで毎日を過ごしていくことが、自身の人生をより価値あるものにしていくことにつながっていくのではないでしょうか。
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