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『稲盛和夫一日一言』8/2(火)

皆さん、こんにちは!

『稲盛和夫一日一言』8/2(火)は、「今日よりは明日、明日よりは明後日(あさって)」です。

ポイント:継続と反復(はんぷく)は違う。少しずつでもいいから、日々必ず改良や改善を付加していくこと。

この項を読んで、私が『京セラものづくりの心得』手帳(社内用非売品)の事務局を担当していたころのことを思い出しました。

創業間もない滋賀蒲生工場に勤務されていたOB・OGの方々に、工場の会議室に集まっていただき、当時のエピソードを取材させていただく機会がありました。そのときひとりの方が、「入社が一日でも早ければ先輩」という話をされました。言葉通りに解釈すれば当たり前なのですが、意味するところは少し違っていました。

京都の小さな町工場として創業した京都セラミックにとって、蒲生工場は最初の大規模工場。受注急拡大に対応するため、工場は増産に次ぐ増産。急遽たくさんの新規採用を進めたもののまったく追いつきません。そんな中、稲盛始め幹部・先輩社員たちは目の回る忙しさだったそうです。

本来なら、新しく入ってきた新入社員に対して丁寧に作業手順や段取りなどを教え、一日でも早く即戦力になってもらいたいのですが、今の現場にそんな余裕はありません。今日入ったばかりの新入社員にしてみれば、工場内を小走りで動き回る上司や先輩を呼び止めるのは忍びない。かと言って誰かが声を掛けてくれるまで待っていては、目の前の仕事は止まったまま。

まてよ…昨日入社した社員は、自分たちよりも(すでに1日分だけ)手順、段取り、要領が分かっていてすでに必死に作業を進めている。それならば、一日入社の早い先輩たちの動きを見ながら作業に取り掛かるか…

先輩になったら先輩になったで、今度は自分よりも後に入社した新米社員たちになめられてたまるか!という気持ちも加わって、「今日よりは明日、明日よりは明後日!」と日々改良・改善を続けた。

そんな切磋琢磨が続く現場、社員たちの必死な姿が伝わってくる一言ではないでしょうか。

安全や品質といった観点からすれば、決して推奨されるものではありませんが、当時から連綿と続く、何としてもお客様の要求に応える、という京セラのバックボーンのようなものを感じていただければと思います。




     

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