『稲盛和夫一日一言』 7月20日
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 7月20日(土)は、「一歩一歩の努力 ②」です。
ポイント:一歩一歩の積み重ねの結果は相乗作用を引き起こし、その連鎖はいつのまにか信じられないような高みにまで、自らを運んでくれる。
2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)の中で、未来進行形で考えることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
新しいことを成し遂げられる人は、自分の可能性をまっすぐに信じることができる人です。可能性とは、つまり「未来の能力」のこと。現在の能力で、できる、できないを判断してしまっては、新しいことや困難なことはいつまでたってもやり遂げられません。
いっけん無理だと思える高い目標に対しても、ひるまず情熱を傾け、ひたむきな努力研鑚を惜しまない。そのことが、私たちの能力を自分自身もびっくりするほど伸長させる、あるいは眠っていた大きな潜在能力を開花させるのです。
ですから、できないことがあったとしても、それは今の自分にできないだけであって、将来の自分になら可能であると、未来進行形で考えることが大切です。まだ発揮されていない力が眠っていると信じるべきなのです。
それでも、往々にしてそう簡単に事が運ばないこともありましたが、困難に直面するたびに、私は次のような言葉でみんなを叱咤激励してきました。
「もうダメだ、無理だというのは、通過地点に過ぎない。すべての力を尽くして限界まで粘れば、絶対に成功するはずだ」
私は、そうやってこれまで再三再四、不可能を可能に変えてきました。すなわち、いつも自分の能力を未来進行形で考えて仕事を行ってきたのです。(要約)
また、2012年発刊の『京セラものづくりの心得を語る』(伊藤謙介著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、「人生は時間との闘い」として、伊藤元京セラ会長(当時、相談役)は次のように説かれています。
私のような年齢になると、皆さんに比べて人生が残り少ないのは間違いないでしょう。
何を言いたいのかというと、「人間は必ず死ぬ」ということです。人間は必ず死にます。しかし、特に若い人たちは、みんな自分が死ぬとは思っていません。しかし、みんないつかは必ず死ぬのです。
だからこそ、「今を頑張れ、今を頑張るしかないよ」と、私は言いたいのです。生きていれば、誰もが確実に歳をとっていきますから、今私が皆さんに話をしているこの瞬間、この一秒も、決して後戻りはできません。誰もが、それだけ確実に死に近づいているわけです。
私たちの人生は、時間との闘いです。
「今日はできなかったが、明日こそは頑張ろう」と先送りにして、それを5回繰り返せば一週間は終わりです。
また、「今週はできなかったが、来週こそは頑張ろう」を4回繰り返せば、一ヵ月は終わりです。さらに、「今月はできなかったが、来月こそは頑張ろう」を12回繰り返せば、一年も終わりです。
そして、「今年はだめだったが、来年こそは頑張ろう」を40回ほど繰り返せば、新入社員であっても定年を迎えることになってしまいます。
そう考えると、一日でもおろそかにすることはできないはずです。
人生を真剣に考えてみるということは、本当に必要なことです。誰も次の日をあてにすることができないと考えれば、毎日を充実させて生きていくことがいかに大事かということは、誰にでも分かると思います。
私たちは、今をどう生きるかということを問われています。
毎日真剣に仕事をしていると、そのすべてが人格に投影されていきます。そうすると、歳月とともに熟成が進んでいって、あの人は素晴らしいと言われるような人格を持つことができるのだと思います。
生き様で仕事の成果が決まるということは、言い換えれば、その人の生き様がもたらす魂のレベル以上の仕事の成果は決して生まれてこないということです。
自分で勉強したり、仕事に集中していろいろと苦労を重ねることが、そのまま自分のプラスになっていきます。そういうことの繰り返しが、人間としての器量、キャパシティを大きくしていくのです。
現在は過去の結果。
毎日を「ど真剣」に生きること、そして、人間としての器量、キャパシティを広げ、それらを集積したものが、人生の成果となって表れてきます。そうしたものすべてが、時間との闘いなのです。(要約)
「日々の地味な努力が生む小さな成果が、さらなる努力と成果を呼ぶ」
一般には、「小さくてもいいから成功体験を積み重ねることが成長につながる」と言われていますが、個人的には、成功体験であるかどうかはそれほど問題ではないと思っています。
成功するに越したことはないと言われるかもしれませんが、その体験が自分の生き様にどう刻み込まれたのか、そのことのほうがもっと大事なのではないでしょうか。
「人生=修行」
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