『稲盛和夫一日一言』1/24(火)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1/24(火)は、「反省と利他の心」です。
ポイント:「反省」を繰り返すことで自らを戒め、利己的な思いを少しでも抑えることができれば、心の中には人間が本来持っているはずの美しい「利他の心」が現れてくるようになる。
2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、反省のある毎日を送ることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
反省のある毎日を送るということは、たいへん大事なことです。
いつのときからかはよく覚えていませんが、私は毎晩寝る前に、一日を振り返って反省をするという習慣が身に付いています。
一日を思い返してみて、自分自身の態度がいくらか傲慢であったことに気づくと、腹が立ってしまって、心の中で、ときには言葉にも出して、自分自身に「バカか!」といいながら強く反省をします。
我々の心の中には「善き心」と「悪しき心」が同居しています。「善き心」とは利他の心、優しい思いやりの心です。「悪しき心」とは利己的な心、オレがオレがという心です。この二つが我々の心に同居しているわけです。
ですから、悪しき心が持ち上がり、それが自分を支配したときには、反省をすることで、その悪しき心がさらに膨れ上がってしまうのを抑えなければなりません。
そうすることで、悪しき心が再び持ち上がってくるのを抑制し、少しでも善き心、優しい利他の心が占める割合を増やしていくようにするのが、反省をするということなのです。(要約)
今日の一言では、「反省をするということは、ともすれば利己で満たされがちな心を浄化しようとすること」とあります。
大雨が降ったときなど、川は増水して濁った状態になりますが、雨が止んで数日晴天が続くと、水量が落ち着いて水も次第に澄んできます。
私たちの心の中も同じようなもので、感情に任せて一旦荒れ狂ってしまえば、多少時間が立って気持ちが落ち着いてきても、心の中にはささくれのようなものが残っていて、容易にピリピリした感情は消えてくれません。
そうしたときに大切なのが、「反省をする」ということです。
えげつない利己心を抑え、一時期、自分の心の片隅に追いやられてしまっていた美しい、優しい思いやりに満ちた利他の心を勇気づけ、再びそれが自分の心の中で大きな位置を占めるようにする。
反省を続けることは、その人の人格を磨くことにつながっていきます。常日頃より、反省をする人なのか、そうでない人なのかによって、その人の人生が決まってくるといってもよいくらいだと思います。なぜなら、反省をしない人は心が成長していかないからです。
過ぎてしまったことを、いつまでもくよくよと悩む必要はありませんが、日々の自分の行動や心のありようを点検し、自分のことを優先した言動になっていないか、思いやりのない卑怯な振る舞いをしていなかったなど、自省自戒し、至らなかったところは次から改められるように努めていく。
それが「反省のある毎日を送る」ということではないでしょうか。