『稲盛和夫一日一言』5/16(火)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 5/16(火)は、「素人の発想」です。
ポイント:新しい事業を発展させるためには、何にもとらわれない自由な発想が必要。そして、そのような自由な発想は、既成概念に染まりきっていない素人から生まれてくる。
2015年発刊の『稲盛和夫経営講話選集 第1巻 技術開発に賭ける』(稲盛和夫著 ダイヤモンド社)に収録されているある講演の中で、研究開発を成功に導く考え方について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
ここで私の持論についてお話しします。
私は革新的なことを成し遂げるのは素人だと思っています。もちろん、専門的な知識や技術は持っていなければなりませんが、専門ばかであっては絶対にいけません。
決して専門性を軽視しているわけではありませんが、専門の中にどっぷり浸かり込んだ人には、革新的な研究開発はできない、素人こそ革新的な開発ができると思っています。
素人は固定概念を持っていません。ですから、次から次へと創意工夫ができる。つまり、素人であるがゆえに、玄人が持っている「こうあるべきだ」というような常識を持っていない。そういう常識、固定概念を持っていないからこそ、新しいことにチャレンジできるのです。そこに、「これは、こんなもんだ」というような常識があったのでは、決して革新的なことはできないのです。
いくら専門家であっても、常に素人と同じような新鮮な目で物事をみていくことが大事です。常に好奇心を持ち、澄んだ目で物事を見ていく。素人のような純粋な目でなければ革新的なことはできないと思います。
専門の中にどっぷり浸かり込んだ専門ばかよりは、素人を起用したほうが成功するケースが非常に多いというのが、私が経験から感じていることです。
素直で謙虚な心を持ち、人一倍研究開発に情熱を燃やし、ときには「狂」の状態に移ることができるタイプの人が、研究開発を成功に導いていくのではないだろうかと思っています。(要約)
今日の一言には、「何ものにもとらわれない自由な発想は、既成概念に染まりきった専門家からではなく、素人から生まれる」とあります。
「素人だからこそ自由な発想ができる」という主旨の話をされるとき、名誉会長はよく京都にあるユニークな企業を引き合いに出されていました。
任天堂、ローム、村田製作所、ワコール、京セラなどは、いずれも素人が始めた会社です。つまり、素人で、自由人だからこそ、自由な発想ができたのではないかと解説されています。
しかし同時に、ただ固定概念を否定するだけではなく、「なぜ、なぜ」と疑問符を打ちながら、「どうすればもっとよくなるのだろうか」と日々絶え間なく改良改善を続けていくことも大切であると強調されていました。
「素人だから専門家には敵わない」とか、「素人にはハードルが高すぎる。その道の専門家でなければ取り組むこと自体無理だ」などと考えて簡単にあきらめるのではなく、「素人だからこそ新たに気づけることもあるはずだ」とポジティブシンキングで行動に移していく。
「試す人になろう!」
『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社)5月16日にあった心に留めておきたい一言です・・・
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